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劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」~八ヶ岳の東側を舞台に繰り広げられる物語に痺れる①~

2025年04月30日

4月18日に劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」が公開になりました。
もうすでに、舞台となった野辺山の国立天文台に多くのコナンファンが足を運んでいるというニュースも飛び込んできています。

八ヶ岳の東側は母の出身地であり、私にとっても本当に縁の深いところです。普段あまりスポットの当たらないあの周辺が、コナンの映画の舞台になるとは! ということで、私自身もかなり盛り上がっておりました。

今回は、劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」の舞台になった八ヶ岳周辺エリアにまつわるエピソードなどをお伝えいたします。映画を見る際のお供にしていただけたらと思います。
引き続いての映画のお話になりますが、お付き合いいただけますと幸いです。

映像が始まった瞬間に「赤岳だ!」

毎年公開になる「名探偵コナン」の映画は必ず見に行っています。といっても、普段からテレビシリーズや漫画をしっかり追うファンというわけではありません。

コナンの映画は毎回、日本のさまざまな地域をクローズアップし、その土地の特色や歴史を絡めて内容を構成しているところが秀逸です。公開後、ファンによる聖地巡礼が地域おこし的な効果に繋がるのも興味深いのです。

アテアとしては、ビジネスの面や代理巡拝への示唆を得るのに意義深い映画ですので、年1回の情報収集として見てきました。

ところが、今回に限っては少し様子が違いました。
普段なら、スタッフから今年はこんな内容らしいという情報を得るのですが、たまたま私の方が先に特報の映像を見ました。映像の冒頭、八ヶ岳の全景ではなく、山の頂上あたりがバーンと出ます。

その瞬間、「これは赤岳だ!」と。赤岳は、八ヶ岳の中で最も標高の高い地点で、ちょっとやそっとで登れるような山ではありません。「これは赤岳に呼ばれているのだろうか。いや、行かないけれど」と思いつつ、それに続く国立天文台 野辺山宇宙電波観測所の巨大な電波望遠鏡や雪崩の様子などに、とにかく今回は信州、それも八ヶ岳の東側が舞台になるのだとワクワクしました。

八ヶ岳は本州を南北に連なる山塊(さんかい)といわれています。北から南へ30kmもの長さの間に山容が見事に変わるのが八ヶ岳の特徴でもあります。
諏訪湖や諏訪大社のある諏訪地方は南北に渡る八ヶ岳の西側にあたります。映画「君の名は」の舞台のひとつにもなっており、神社がお好きな方には信州というとそちらのイメージが強いかもしれません。

ですが、実は一般的に注目される西側と同様に東側にも重要なポイントが多く存在しています。そして、特報で最初に映ったのは八ヶ岳の東側から見る赤岳だったところが驚きだったのです。

加えて、今回の主人公の名前は大和勘助。これは私の大好きな武田信玄の伝説的軍師である山本勘助がモデルです。だからこその「隻眼」なわけです。これは私としては、盛り上がらないわけにはいきません。

国立天文台 野辺山宇宙電波観測所の最寄りの野辺山駅も含むJR小海線が通る辺りを佐久地方といいます。この佐久地方は、武田信玄が川中島へと進んでいった際の道筋です。武田信玄の初陣の地とされる海ノ口城も小海線沿いの山奥にあります。このように歴史上有名かつ重要な史跡や場所が多くあるにもかかわらず、あまり注目されることのなかった地域をコナンの舞台としてくれたことが本当に感慨深かったのでした。

無数の星の宇宙に溶け込んでいくような感覚

信州のこの辺りは母の故郷でもあり、私にとっても縁の深い土地です。

南北に伸びる八ヶ岳の北方面は、比較的緩やかで深い森が広がり、初心者でもトレッキングを楽しめるような山です。対する南方面は赤岳をはじめとして、ゴツゴツとした岩肌に険しく細い道といった具合で上級者が挑戦するような山。
私の母も小学生くらいの時に、赤岳に登ったと言っていましたが、つくづく昔の人は足腰が強かったのだなと思います。

小学校低学年の頃、山奥の集落にあった母の実家で冬休みを過ごしたときのこと。大晦日、神社で真夜中に行われていた神事に祖父に連れられて行ったことがあります。暗く雪深い道を祖父と手をつないで、大きな坂を下っていかなければなりません。

雪道に慣れていない私は転ばないようにと必死でしたが、顔を上げると目の前に天の川が広がっていました。普段のように夜空を見上げるのではなく、目線の先がそのまま宇宙なのです。幼稚園の頃からギリシア神話に興味を持ち、その流れで西洋占星術に夢中になり、そこから星にも心を惹かれていた私。

そんな私が本物の星空を目の当たりにしたときの宇宙の中に溶けていくような感じは今でも忘れられません。自分たちは本当に宇宙の中に生きているのだという実感を受けました。

その後すぐに、星座早見表を買ってもらい、次の夏休み、冬休みと母の実家で改めて星を見ると、季節によって見える星が違ったり、冬の方が見える星の奥行きがあったりすることに気付きます。星の数がたくさん見えるのはもちろんなのですが、平面に並んでいるのではなく、奥まで届くような感覚がわかるのです。

青空とレタス畑と目の前に浮かぶ雲

中学生になると、今度は学校の行事でも野辺山を訪れることになります。
大田区立野辺山学園という施設があり、大田区民であった私は中学校の移動教室や部活の合宿などで訪れました。そうして、登山をしたり、国立天文台の巨大なパラボラアンテナを見学に行ったりしたわけです。

そこから見える八ヶ岳が本当にきれいでした。ちょうど真正面に全景がパノラマのように広がります。野辺山は1,300mを超える標高で高原野菜も有名です。近くにレタスやキャベツの畑も広がります。さらに星空と同様に雲も目線と同じ高さに浮かんでいます。
レタス畑の上の抜けるような青空と雲、そして八ヶ岳という素晴らしい景色でした。

残念ながら、野辺山学園は2021年に廃止となってしまったようですが、たくさんの中学生たちに野辺山の素晴らしさを伝え続けてきたことと思います。

野辺山には、このようにたくさんの思い出があります。
小さい頃、パッケージの絵のデザインから「シュッポッポ牛乳」だと思っていたヤツレンのポッポ牛乳も大好きですし、今も野辺山を訪れた際にはここのソフトクリームを食べます。

また、野辺山と清里の間にある標高1,357mのJR最高地点には、鉄道に関する部品を御神体とする鉄道神社もお祀りされています。

コナンの映画をきっかけに、野辺山の良さをぜひ多くの方に感じていただけたらと思っています。

劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像(フラッシュバック)」に伴う八ヶ岳への想いは止まりません。
②へと続きます。

劇場版「名探偵コナン 隻眼の残像」~八ヶ岳の東側を舞台に繰り広げられる物語に痺れる②~

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