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【光輝ブログ】太平洋戦争の大きな転換点となったAL作戦/MI作戦~艦内神社への理解を深めるために④

2025年05月12日

艦内神社とそれらが祀られている旧日本軍の艦についてお伝えしているこちらのブログ。日本から遠い海に眠る方々に深く想いを馳せていただきたいという想いからつづらせていただいておりますが、それぞれの艦内神社の説明だけでは不十分な部分もあります。

そこで、「艦内神社への理解を深めるために」として基礎知識をお伝えする今回のシリーズは、「AL作戦/MI作戦」についてです。

真珠湾攻撃から続いての2つの作戦

「AL作戦/MI作戦」とは、それぞれAL作戦がアリューシャン作戦、MI作戦がミッドウェー島攻略作戦のことです。MI作戦はそのままミッドウェー海戦へと繋がっていきます。

旧日本軍は1941年(昭和16年)12月に行った真珠湾攻撃で圧勝します。その戦に続いて、この2つの作戦は1942年(昭和17年)6月、同時に決行されました。いずれも米軍をそこで抑え込むことが目的でした。特に、ミッドウェー島の攻略については、これができさえすれば、一気に米軍を追い上げることができるのではないかと軍部は考えていたそうです。

AL作戦は、アメリカ合衆国の最北端にあるアラスカ準州(当時・後に州に昇格)にあるアリューシャン列島西部の攻略および占領、破壊を目的としていました。それによって、米軍の航空兵力が西に進むのを抑え、米軍の日本本土への接近を困難にできるのではないかという目算で行われたのでした。6月3日にダッチハーバー基地を空襲、初めてアメリカ合衆国の領土を占領しました。

当初は、MI作戦よりもAL作戦の方が困難であろうと予測されていたそうです。ところが、作戦を決行してみれば、あっけなく勝ちを上げる結果となりました。

その一方で、MI作戦は思わぬ結果となってしまったのでした。

日本の運命を転じた太平洋戦争の大きな転換点

MI作戦は中部太平洋のミッドウェー島の攻略を狙ったものでした。
実はこの作戦は、日本に有利な状況であったといわれています。というのも、日本側は正規空母4隻、対して米軍は、空母3隻であったのです。それも、第一航空戦隊と第二航空戦隊という日本の超主力が担っていました。

戦というのは、まずはいかに先手を仕掛けられるかであり、戦いが進むと物量が多ければ多いほど有利に運びます。さらに当時、日本は制空権を握っていました。順当に考えて日本側に有利な条件がそろっていたはずです。

ところが、小さな綻びから日本はこの戦いで大敗を喫します。
状況としては諸説あるので、実際のところはあいまいですが、まずは作戦に入ったところで、米軍が他の海域に兵力を集めており、ミッドウェー島の守りには空母はいないと判断していたといいます。

また、魚雷から島に直接爆撃するための飛行機の武器を換装しようとする間に、米軍の空母の航空隊の急襲により、少し離れていた「飛龍」を除く、「加賀」、「蒼龍」、「赤城」は爆撃されます。それにより「加賀」、「蒼龍」は沈没、「赤城」はそのまま沈没はしなかったものの内部の火災により自力での航行が不可能となり、雷撃処分となります。

日本の空母は「飛龍」1隻のみとなったわけですが、ここで第二航空戦隊司令官の山口多聞少将は、敵の空母は2隻であると判断、「飛龍」1隻を攻撃へと向かわせます。

それだけ現場が混乱を極めていたのか。日本側の判断は、今考えると信じられないほどに、悪手の連続だったように思います。

この後、驚くべきことに反撃の命令を受けた「飛龍」は、3隻の空母と対戦しながらその中の1隻である「ヨークタウン」を航行不能にします。それも友永丈市大尉率いる「友永雷撃隊」の捨て身の突撃によってです。友永大尉は自分の機が片道燃料であるにも関わらず、止められるのを振り切って出撃したといいます。

その後、「飛龍」も爆撃を受け、雷撃処分。結果として、日本は空母4隻、重巡洋艦「三隈」を失い、大敗します。そして、この敗北が太平洋戦争の大きな転換点となるのです。

100%の完勝が生んだ慢心や甘さ

MI作戦に端を発したミッドウェー海戦の敗北により、日本は制空権、制海権を失い、この戦争における主導権がアメリカに移ったといわれています。空母や重巡洋艦とともに、第一、第二航空隊に所属する優秀なパイロットたちも戦死で失っています。AL作戦で占領したアリューシャン列島も放棄しなければなりませんでした。
にもかかわらず、大本営は、国民に対して、被害や戦果の事実を捻じ曲げて伝えるわけです。

私個人としては、ここから日本の負けが決まっていったのではないかと考えています。
これでは、国民の信用も失いますし、現実的に戦力の喪失も計り知れません。島国である日本はそもそも物資が不足していきますし、士気は下がる一方です。

このような結果を生んだ元には、真珠湾での100%といえるほどの完勝が原因しているように思えてなりません。真珠湾攻撃では、日本の大きな艦は1隻も沈められることなく、米軍の戦艦を何隻も沈めています。

そのような勝ち方により、日本としては慢心してしまったのではないかと思います。
それが状況把握のあいまいさや作戦の詰めの甘さ、判断のミスを生み、結果としてあり得ないほどの大敗に繋がったのではないでしょうか。

100%の勝ちや安心を得るのが良くないというわけでは決してありません。その喜びをかみしめつつも、そのような時こそ、気持ちを引き締め、次に備えなければならないと自分に言い聞かせています。

また同じ勝ちでも、友永隊が決行した特攻はこの後も尾を引くこととなります。
レイテ沖海戦で始まってしまう神風特別攻撃隊の特攻に繋がっていくのです。これは、ミッドウェー海戦で空母と人材を失ったことも大きな原因となっています。
このレイテ沖海戦については、また次回に詳しくお伝えいたします。

このような内容をお伝えしていると、大きな戦で失われたたくさんの尊い命に胸がつぶれる想いですが、これらを忘れることなく、今の世の中で自分ができることを考えていきたいと切に思います。

旧日本軍の連合艦隊についてお伝えしつつ、歴史を振り返り今について考えたブログはこちらになります。
【光輝ブログ】旧日本軍の「連合艦隊」とは何か~艦内神社への理解を深めるために②

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