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前回の風の時代と龍神タロットの前編では、龍神タロットが他のタロットとは異なる大きな2つのポイント。そして、時代が大きく変化する今こそ歴史を振り返ることが、心が揺らぐのを抑えてくれるということで、前の風の時代だった鎌倉時代のエピソードをお伝えしました。
後編の今回は、時代の大きな変化の中での内省の大切さについてお伝えします。
目次
がんばって乗り越えてきたことをなかったことのように忘れてしまう
先日、ある経営者の方のコンサルを行っていたとき、その方がふとこうおっしゃいました。
「いろいろあったけど、乗り越えられてよかったです。時代の空気感も変わってきましたしね」
言葉だけ聞くと、その方の安堵の気持ちの表れというところですが、私はとっさに「それで良いんでしょうか」と言いました。言外に、過去は過去として今に安心しきってしまっているような様子を感じたからです。
たしかに、コロナ禍もある程度落ち着き、大半の方にとって、あの大変さも不安も感覚的に過去のものになっていることでしょう。実際、過去ではあるのですが、それをもうなかったことのように忘れ去ってしまうのは違うのではないかと思います。
コロナ禍は私たちにさまざまなものをもたらしました。
健康の不安、ワクチンやマスクのこと、出勤や会食の制限。それに伴い、仕事の進め方やコミュニケーションをどうするか決めなければならない……何もかもが混乱を極めました。
その頃、経営者の皆さまがよくおっしゃっていたのが「長期的な計画を立てられない」ということ。計画を立てたとしてもどんどん変更せざるを得なくなってしまうからです。
経営者にとってのリーダーシップとは、ビジョンを示しそれを達成するための行動を促し、社員が力を発揮していけるように気持ちを高めていくというもの。ところが、長期計画を立てられないがために、どうビジョンを伝えていいのかがわからないというのが多くの経営者にとってのお悩みでした。
その反面、オンラインで仕事をするということは広まり、家族との時間を取れるようになった方もいらっしゃいましたし、それまで以上に健康に気遣う方も増えました。
そのような面があったとはいえ、当時は出口も見えない状況に不安や焦りを感じていた方が多かったはずです。ですが、そういったことも都合の良いように忘れてしまえるのが人間なのです。
土の時代から風の時代へ。時代の変化に合わせて考え方を変える
ついこの前までの土の時代は、この上なく強烈な土の時代でした。
産業革命の頃から始まり、いわゆるサイエンスが世の中に広がり、それをベースに技術や論理的思考が築かれ、経済動向さえも左右するというものでした。今の私たちが便利な暮らしをしているのはそれらの賜物ですから、今後も必要なものではあるのですが、やはり偏りすぎが続くのは良くないのです。
どれだけ素晴らしい技術革新や大発明があったとしても、それがずっと続いていくとよどみが発生します。だからこそ、大きな時代の変化というのがおよそ200年の単位で巡ってくるわけです。その変化の強烈なインパクトを「大丈夫。今だってうまくいっているのだから、そのままいけばいい」とするのではなく、時代は変わっていくのだと自ら思考を変えていくのが大事であると、ある意味学んだのが、コロナ禍だったわけです。
前回のブログで、鎌倉時代のお話をお伝えしましたが、時代の変化に伴った思考の変換ができなかったために起きたのが承久の乱なわけです。
時代が大きく変わり、政治的な権力が鎌倉幕府に移り、天皇家や公家に実権はなくなっているにもかかわらず、後鳥羽上皇は討伐の兵を挙げたのです。後鳥羽上皇自身、文武両道でもあり、それまでの動乱の世の中を見てきていますから、世の中に疎いというわけでもありません。それでも、時代の流れを読み切れなかったということです。結果、上皇という立場にあるにもかかわらず、隠岐の島へと流されてしまうという前代未聞のことが起こります。
このように、この大きな時代の変化の時期に、流れを見誤らないよう気を付けていきたいのです。
過去の内省は今の自分に、今の内省は未来へのプレゼント
コロナ禍の頃に、あなたも自分の生き方について深く考えたのではないでしょうか。
多くの方がこれからの人生で命を生き切るために、何をして何をしないかという問いによる内省をされていました。
でも、それを今、忘れてはいないでしょうか。
もちろん、大変な時期を乗り越えてきたからこそ、ほっとひと息つきたい、嫌なことには触れたくない、ないことにしたい、前を向いて明るいところだけを見たい。それは心理的にはとてもよくわかります。けれども、そのような気持ちが盲点を生み出しやすいのです。
冒頭の経営者の方にもこういったことをお伝えいたしました。
すると、その方は帰宅後すぐに、当時の内省の記録を全部取り出して、読み直したそうです。
あの頃、自分がどう生きるか、会社をどうするかについて真剣に向き合っていたことを、今では忘れてしまっていた。もちろん、従業員を大切に思う気持ちは変わらないけれど、少し気持ちが緩んでいたと感じられたそうです。コロナ禍の頃とは状況は違うけれど、以前は見過ごされていたパワハラやカスハラなどの問題に社内一丸となって考えていかなければならないと気が付きました……とのことでした。
大きな困難という山を乗り越えたとき、その大変さを振り返ってもう一度登ろうとはなかなか思わないものです。できれば避けて通りたい。でも、乗り越えた先にも別の困難が待ち受けているかもしれないということ。安心しきって気持ちをそらしてしまうとそれを見逃すリスクがあるということ。
そういうときこそ、過去に記した内省の記録が、現在の自分へのプレゼントになるわけです。 ということは、今の内省の記録をするということは、未来の自分へのプレゼントになるのです。
お忙しい中で内省を行うというのはなかなか大変なことかもしれません。であれば、思い切ってひかり塾にご参加いただくのもひとつの方法です。毎回テーマをお伝えし、フィードバックしながら内省していただきますので、一生ものの内省の方法を身に付けていただけます。
龍神タロットもまた、深い内省のためのツールとして活用いただけます。
先の経営者の方は「過去の自分に襟を正させてもらいました」とおっしゃっていました。内省を行った記録は、1年後、2年後の自分への大切なメッセージとなります。
歴史を振り返るのも、自分を振り返り内省するのも範囲の違いこそあれ、実は同じことなのです。
ぜひ、折々に自分を振り返り、未来の自分へのプレゼントを用意していきましょう。
こちらのブログではひかり塾についてお伝えしています。
内省と他者との対話と人生の光と。「ひかり塾」新しいロゴマークに寄せて
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