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埼玉県名や県章に秘められた意外な事実~なぜ人間に教養や感性が必要なのか~

2024年05月26日

東京都に生まれ、ずっと住み続けてきた私が引っ越しを決めてしまったほど、魅力にあふれる埼玉県。埼玉に秘められた力とともに、そこから派生してお伝えしたいことを今回はお話していきたいと思います。

県名の由来、県章に表される勾玉……住んでみてさらに増えていく埼玉の魅力

現在、埼玉県民ですが、それは映画「翔んで埼玉」を見たことがきっかけでした。この映画、とても衝撃的で立て続けに5回も見てしまったほどです。そして、埼玉を好きになりすぎたあまり、とうとう埼玉への引っ越しを決めたのでした。

「翔んで埼玉」が「住んで埼玉」になってしまったというわけです。

実際に、埼玉に住んでみると本当に道路も空も広く、大自然にあふれています。関東地方の地形が広大な平野であるというのは東京に住んでいる頃も、頭では理解していましたが、埼玉に住んでみてようやく体で実感いたしました。

埼玉のことを知るたびにどんどん魅了されていきます。

埼玉県行田市には、埼玉(さきたま)古墳群いう史跡があります。
5世紀後半から7世紀中頃にかけて築かれたこの古墳群は、埼玉県内では初の特別史跡に指定されました。この古墳群に隣接して前玉(さきたま)神社も鎮座しています。

一説によると、この埼玉古墳群が埼玉県という県名の由来となっているそうです。

さらに、県のシンボルマークである県章(埼玉県ホームページへのリンク)は、昭和39年に制定されたものですが、勾玉が円形に16個並んでいます。まるで古代人のネックレスのようなデザインです。勾玉は古代人が大切にしていたもの。

ちなみに、「翔んで埼玉」ではこの県章が旗印になっていまして、第二章では登場する船の帆にも描かれており、芸が細かいなと思って見ていました。

ところで、聖徳太子のいた時代、仏教が伝来する前までは、古代神道が中心でした。この古代神道では、人間の魂には5種類あるとされていました。その中のひとつが「幸魂」です。さきたま、または、さきみたまと読みます。

この「幸魂」は私たちの体の前面に存在していると考えられていて、人との距離感、言葉や表現の発信などコミュニケーションに特化した魂と考えられています。

人とのコミュニケーションはもちろんですが、目には見えない大自然に宿る神様とのコミュニケーション、あるいは、食事をするとき、今いただく命に対して感謝するという意味での「いただきます」、「ごちそうさま」というのもコミュニケーションのひとつです。このような自分と対象物とのコミュニケーションというエネルギー交換を行うための感性を磨いていくのが「幸魂」です。

埼玉県の県名はこの「幸魂」にも由来しているそうです。
ということは、埼玉県の言霊、音の響きそのものに人間関係やコミュニケーションを円滑にする力があるのだと捉えてみたら、非常に面白いと思いませんか。

このように蓄えた知識をただ知識としてお持ちになるのではなく、さまざまな方向につなげていくのが想像力です。連想ゲームのような発想の豊かさは教養や感性がなければ成り立たないものです。

なくても困らないように見えて重要なのが教養と感性

そもそも、歴史や地理などの知識は、どちらかというと普段の仕事や生活に直結しているわけではないでしょう。
日々の仕事に忙殺される経営者の方々や家庭内のことや介護などで目の回るような状況の皆さんにとって、そういった情報は、正直なところなくても生きていけるといってもいいかもしれません。

少し前に、Xでも「古典は必要かどうか」という話題が論じられていましたね。

ですが、普段の生活に直接影響のない知識や教養を一切省いてしまったとしたら、感性が死んでしまいます。

感性が死んでしまうとどのようなことが起こると思いますか。

感受性や洞察力、想像力というものも含めて、自分の気持ち、自分の内側にあるものはすべて感性であるといえます。感性が死ぬということは、自分が今どう感じているのかを受け止めるための言葉がなくなるのです。それは、とても危ないことです。

感性とそれを表す言葉を失ってしまうということは自分を表す術をなくしてしまうということ。
自分が今何を感じているのか、何を求めているのか。好きなのか、嫌いなのか。実は、どちらでもないのか。もし、嫌いなら何が嫌いなのかなどを、ただモヤモヤと感じているだけで、何の表現もできなくなってしまいます。

これでは1歳や2歳の子どもと一緒です。自分の欲求や感情をうまく言葉で伝えられないこの年頃の子たちは、伝えられないがゆえに、癇癪を起こしたり、暴れたりしてしまいますよね。まだ教養が身についていない子どもたちであれば、それはその年頃なりの表現力なのでまだいいのです。

でも、これを大人がやってしまったらどうなってしまうでしょう。想像に難くはないですよね。

また、お互いに感性の共有ができればできるほど、コミュニケーションが深まります。思いやりということ自体、想像力がなければできないもの。思いやりがなくなってしまえば、社会は非常に殺伐とし、犯罪率も上がっていくのではないでしょうか。

例えば、埼玉県には埼玉古墳群というものがあってそれが県名の由来であり、しかもそれは「幸魂」にも通じているのだという話は、特に何かの役に立つ話ではないかもしれません。
けれども、「翔んで埼玉」のような映画や何かの話題の中にこのことが不意に出てきて、「埼玉って思いのほか深い歴史があるのだ」と気付いたら、もしかすると別の何かに繋がるかもしれません。

何かに気付いたりそれを元に想像力を働かせたりすることが、今すぐは形にならないかもしれませんが、いつか有形のものを生み出すために必要な感性を育てるのです。

知識を生かす感性や想像力を磨くための神社

知識や教養というのはそれぞれの視点も変えていきます。

また埼玉県の話になりますが、埼玉県行田市というのは、埼玉古墳群があるとともに、石田三成が唯一陥落できなかった忍城(おしじょう)がある土地でもあるのです。「のぼうの城」のモデルになった城といったら、ご存じの方も多いでしょうか。

ですから、古代史ファン、戦国ファンからすると行田市というのは垂涎の土地。それは、知識があるからにほかなりません。知識があるからこそ、同じ風景を見ていても、そこに知識を持たない人とは違うものを見ているということです。

実は、これはビジネスシーンにおいてもよく起きていることなのです。

同じ職場で同じタスクがあったとして、それをどう捉えるかで、対処の仕方は変わってきます。
ポジティブであれば良いというものでもないところが、仕事というものの難しいところ。極端なポジティブ思考に偏ることなく、的確に捉えられる想像力が必要となるのです。

たとえネガティブに感じてしまったとしても、それをどう受け止めていけばいいのか考えていければ判断を間違うことはないでしょう。必要であれば、改善すれば良いし、自分より得意な人に任せる方がいい場合もある。あるいは、いっそ新しい人材を入れる方法はどうだろう……と、次の一手を多様に発展させていけるはずです。

ここでもうひとつ、考えておきたいのが、周りの人も同じ風景を、同じ知識や感情で見ているわけではないということ。ついついそのように思ってしまいがちですが、先ほどの行田市の例のように、それぞれ異なるものをベースにしているために、見ているものが違うことがあると気付いていただきたいのです。そこに気付くことで、失敗を防ぎ、意外な解決方法にたどり着く近道を見つけることができるでしょう。

そのような想像力、感性を磨いていただくために行っているのが神旅®です。
数ある歴史のすべてを知ってほしい、すべての神社を知ってほしいということではありません。知識を得ることが第一目的なのではなく、自分の想像力、感性を磨くために神社へ行ってみてほしいのです。

知識や教養はあるに越したことはありません。でも、感性が伴わない知識は単なる辞書のようなもの。豊かな社会、そして、ビジネスの飛躍のためにもバランスよく養っていきたいものですね。

埼玉県の秘められた力についてはYouTubeでもお話しております。ぜひ、ご覧ください。
埼玉県章が語る 埼玉県の秘められた力【神社の知恵と地政学】

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北陸地方の魅力を深掘る~知る人ぞ知る聖地がひそやかに眠る土地~

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