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【光輝ブログ】艦内神社への理解を深めるための「軍艦の艦種のキホン」

2024年06月30日

前回まで、私が探求している艦内神社について知っていただくため、和風月名を名前に持った駆逐艦を「卯月」からご紹介してまいりました。

改めまして、旧日本軍が擁していた軍艦の艦種について解説をしたいと思います。

それぞれの艦をより鮮明にイメージし艦内神社へと想いを馳せていただくためのひとつの要素としてご一読いただけるとうれしく思います。

重量感のある戦場の主役「戦艦」

旧日本軍の軍艦は主に次のように分類されます。

・戦艦
・航空母艦(空母)
・巡洋艦
・駆逐艦
・潜水艦
・補給艦
・給湯艦

では、戦艦から解説してまいります。

戦艦は、旧日本軍の軍艦の中でも最も大きな艦です。
最大級の主砲という武器を積んでおり、その重い主砲を支えるための分厚い装甲を兼ね備えています。大きな主砲ということは砲撃をする際に相当な反動がかかるわけです。それに耐えられる大きさということでおのずと一番大きな艦なのです。

有名な艦としては、「大和」や「長門」があげられます。

中でも「大和」は全長263mと最大級の戦艦です。
「大和」には奈良の大和(おおやまと)神社の御分霊が艦内神社としてお祀りされていました。実は、大和神社の参道の長さは艦とおおよそ同じ長さになっています。参道を歩くことで、「大和」の全長を体感できるのです。大和神社には、「戦艦大和ゆかりの碑」や関連展示館もあり、呉の「大和ミュージアム」とは別の切り口の資料を見ることができます。

戦艦に続く新たな花形「航空母艦」

航空母艦は海上での飛行機の離発着や整備を行う艦です。
略称は空母と言い、正規空母と軽空母の2種に分かれます。航空母艦の登場により、海上における戦況は大きく変わりました。それまで一番大きな戦力であった戦艦が戦場から姿を消していくこととなったのです。


というのも、船上から撃つ主砲が主な武器である戦艦に対して、空母の主力は戦闘機です。決まった軌道にしか飛ばない砲弾に比べて、戦闘機はパイロットの操作次第で360度、高低も自在に攻撃が可能です。そうなると、さすがに大きな主砲を持つ戦艦でも太刀打ちができません。


加えて、資金面においても分厚い装甲の大型の戦艦を建造するよりも、空母と戦闘機を数十機という組み合わせの方がコストもかかりません。
そのような事情から、次第に戦艦が姿を消し、空母が主流となっていったのでした。

正規空母の有名艦としては「赤城」や「加賀」があります。こちらは山や国の名前ですね。

軽空母には、「瑞鳳」、「龍驤」と幻の獣と言いますか、架空の生物の名前が当てられていることが多いようです。あるいは、鶴や鷹といった文字を入れた艦もあります。

やはり空母は飛行機を飛ばすのが大きな役割でしたので、命名にあたり、空を駆け巡る生き物たちにあやかりたいという想いがあったのではないかと推測しています。

私は個人的に空母が好きです。空母の登場というのは、さまざまな技術力の発展によるものです。技術の進化は世界の状況によっては戦争に使われてしまいます。技術の進歩により水上戦闘の歴史の区切りを作った艦である空母には、複雑な想いとともに特別な思い入れがあるのです。

大型でも機動力のある「巡洋艦」 小回りの利く「駆逐艦」

戦艦よりも少し小柄な艦が巡洋艦です。巡洋艦は、重巡洋艦と軽巡洋艦に分けられます。戦艦よりもサイズは小さくはありますが、大口径の主砲を積んでいるのが重巡洋艦。積んでいないのが軽巡洋艦ということになります。文字通り、主砲を積んで重いのか、積んでいなくて軽いのかという区別です。

全長が200m前後で、戦艦よりも装甲が重厚ではない巡洋艦は、戦艦よりも高速で動くことができます。身軽な分、機動力に富んでいました。
そこで、戦の規模や攻略する拠点が小さい場合に、戦艦を投入せず巡洋艦が旗艦を務めるという作戦もありました。

重巡洋艦で有名なのは「高雄」や「利根」。軽巡洋艦では「夕張」、「川内」。「川内」は、鹿児島県にあった川内市から名前をもらっています。(川内市は現在、市町村合併により薩摩川内市となっています)

当時は、重巡洋艦と軽巡洋艦に分かれていましたが、現代では、その区別がなくなってきています。それはミサイルの進化によるもの。重い主砲を積まなくてもよくなったために重い・軽いの違いがなくなったのです。

さらに小柄な艦が駆逐艦です。前回までご紹介してきたのがこの駆逐艦の中の睦月型の和風月名のものです。

非常に数多く建造された駆逐艦ですが、全長120m前後のものが多く、建造のためのコストが比較的かからず、敵の小型艇や潜水艦などを倒すのが主な役割だったため「駆逐」艦と名付けられていました。
魚雷を積み込み、戦艦や巡洋艦に対してジャイアントキリング的な仕事をする艦もあったそうです。

実は、旧日本軍においてはこの駆逐艦と潜水艦は軍艦のカテゴリーにはなく、艦船と呼ばれていました。

駆逐艦で有名なものといえば「雪風」や「時雨」あたりでしょうか。

敵の目をかいくぐる「潜水艦」 戦を続けるために重要な「補給艦」、「給油艦」

その名の通り水中に潜って攻撃を仕掛ける潜水艦

潜水艦そのものが察知されにくいという特性を生かし、敵の哨戒網……索敵している範囲を突破して、敵の輸送船などを攻撃し打撃を与える。あるいは敵が入ってくるであろう海域に、機雷の設置を行うのが潜水艦の主な役割でした。

潜水艦は、伊(い)、呂(ろ)、波(は)とクラス分けされ、「伊一型潜水艦」、「伊号第六潜水艦」のように番号を振られ名付けられていました。
そして、「伊」のつくものは「伊号潜水艦」といった形でまとめて呼ばれていました。

最後に、戦に参加はしませんが、重要な役割を担っていた、補給艦給油艦です。
補給艦は、戦場でそれぞれの艦へ燃料、弾薬、食料などの補給をする艦のことをさします。多くの物資を積んでいかなければならなかったため、全長150mあまりの大型の艦となっていました。

有名なのは「間宮」、「伊良子」です。

そして、洋上での給油に特化していたのが給油艦です。給油艦も補給艦のカテゴリーに入るのですが、石油燃料だけを運ぶ仕様にして軽量化し、高速で動くことを可能にした艦です。

有名な給油艦といえば「速吸(はやすい)」。この名前は、大分県の佐賀関半島と愛媛県佐田岬半島との間にある海峡「速吸瀬戸」から名付けられたもの。「速吸」は日本神話にも出てくる地名なのです。

それぞれの艦をイメージしながら艦内神社に想いを馳せてほしい

最後までお読みいただきありがとうございます。

もしかすると、軍艦、艦船のここまでの説明は、艦内神社を知るために必要ないのではと感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

ですが、そもそも艦内神社そのものの具体的な資料などが乏しく、結びつきが見えにくいため、それぞれの艦へ慰霊の想いを届けるのが難しいところがあります。

そうであれば、どんな大きさの艦がどのような状況で遠く日本から離れた場所に存在していたかを、少しでもイメージすることがその遥かな距離を縮める術になるのではないかと私は考えています。

これからも、艦内神社についてできるだけイメージを膨らませることができるエピソードや情報をお伝えしていきますので、今回のブログをベースにしていただければ幸いです。

和風月名を持つ艦シリーズは、こちらからご覧いただけます。

【光輝ブログ】20年もの長きに渡り護衛を続けた艦 駆逐艦 「卯月」~和風月名を持つ艦・その1

【光輝ブログ】淡々と輸送作戦を支え続けた黒子のような存在 駆逐艦 「皐月」~和風月名を持つ艦・その2

【光輝ブログ】空母・軽巡洋艦とともに時代の転換点にいた艦 駆逐艦 「水無月」~和風月名を持つ艦・その3

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