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【光輝ブログ】20年もの長きに渡り護衛を続けた艦 駆逐艦 「卯月」~和風月名を持つ艦・その1

2024年04月24日

前回の光輝ブログでは、私がアテアでどのような役割を担っているのかをご紹介しました。

【光輝ブログ】テクニカルに代理巡拝。より良いサービスをお届けするためのアテアにおける私の役割

今回からはいよいよ、私が探求を続けている艦内神社とその大元となる旧日本軍の艦についてお伝えしていきたいと思います。

和風月名を冠した駆逐艦の数々

私は、「艦隊これくしょん‐艦これ‐」というゲームをきっかけに、軍艦について調べるようになり、艦内神社に興味を持ち始めたわけですが、調べていくのはかなりの困難を極めます。

というのも、そもそも沈没してそのままという艦が多い上に、データらしいデータが現存しない、あるいは、もしどこかの神社にあったとしても、艦と神社を紐づけしていく手掛かりが極端に少ないからです。そこで、その本当にわずかな情報から艦内神社について知り、調査しながら参拝を続けています。


ですから、これからお伝えする内容についても私の推測を出ない部分もあります。その辺りもお含みおきいただき、読み進めていただければ幸いです。

旧日本軍のさまざまな艦の中でも、和風月名を名付けられたものがあります。「睦月」をネームシップとする睦月型駆逐艦の12隻です。

ただ、和風月名を付けられているといっても、すべての月の名前が付いているわけではないのが不思議なところ。

「睦月」に始まり、「如月」、「弥生」、「卯月」、「皐月」、「水無月」、「文月」と7艦が連なります。ところが、8艦目は「葉月」ではなく、「長月」。9艦目からは、「菊月」、「三日月」、「望月」、「夕月」となっています。

では、「葉月」、「神無月」、「霜月」、「師走」はどうなってしまったのでしょうか。

睦月型駆逐艦は、軍艦を作り始めた初期の頃の艦です。それからかなりの年月が経ち、1938年に建造計画が始まった秋月型駆逐艦の名称に「霜月」が採用されます。そして、「葉月」も計画されていましたが、数ヵ月で建造中止となっています。ですから、「葉月」という艦は存在しないことになりました。

艦名を決めるにあたっては、ゲン担ぎの部分が大いにあります。また、語呂の良さも求められます。ここからは私の考察となりますが、「神無月」は、音も多く、なにせ「神がない」月なわけです。軍艦の名前としては、やはりふさわしくないと判断されたのではないかと思います。

また、「師走」については「月」が入っていませんので、こちらも不採用となったのではないかと考えています。

旧日本軍には、「葉月」、「神無月」、「師走」以外の和風月名の艦があったということです。

これらの艦名を誰が名付けたかという記録は残っていません。しかし、付けられた艦名を見ていくと、おそらく先人の知恵と、日本の自然や神様を感じ取る感性をフル活用して考えたのだろうなと思うのです。

そのような観点から、艦や艦内神社を考察すると、興味が湧いてくるのではないかと思います。

旧日本軍の艦の中でも長生きだった駆逐艦「卯月」

さて、和風月名の睦月型駆逐艦を、今月から1艦ずつ、ご紹介していきたいと思います。

4月にご紹介するのは「卯月」です。
「卯月」の艦内神社は皇大神宮。伊勢神宮の正宮となります。

1924年に起工し、翌1925年に進水、1944年にフィリピンのレイテ島オルモック湾沈没するまで20年近く、長生きをした艦でした。


駆逐艦というのは、重要な艦を護衛するのが役割です。「卯月」は大きく目立った戦績はありませんが、20年という長きに渡り活躍するというのはなかなかないことです。

たくさんの艦が存在した中で、長生きをする艦というのは、運によると言ってしまえばそれまでですが、いろいろなパターンで沈没を免れているものです。


その艦に乗り込んだ艦長を始めとする乗組員が非常に優秀だった。あまり大きくない戦闘で傷ついて入渠(修理のためにドックに入ること)し、大きな戦闘に出られなかったために生き延びた。何らかの理由から戦闘に出さないことが決められた……など、さまざまな状況やタイミングが重なって、生き残る艦があるのです。

2つの艦に付けられた「卯月」という名前

現在、「卯月」として広く認知されている睦月型駆逐艦は、実は2代目となります。初代の「卯月」は、明治時代に作られた神風型駆逐艦でした。

数ある艦の中でも同じ名前を付けられているものは、そう多くはありません。できるだけ強運な艦になってほしいとゲンを担いで名付けるわけですから、2つの艦に付けられた「卯月」という名前にはおそらく、何か特別な意味があったのではないかと思います。

艦内神社は皇大神宮ということで、多くの艦と共通です。そこで、駆逐艦「卯月」に向けて鎮魂のお参りをするのであれば、この4月にするのが良いのではないでしょうか。
もし、伊勢神宮まで行くことができなかったとしても、お近くの神明神社から想いを届けてみましょう。

その際、遠い国の海で命を落とした乗組員の皆さんお一人おひとりに想うことができれば、それに越したことはありませんが、それもなかなか難しいものです。そこで、トップである艦長さんを思い浮かべ、その方に会いに行くような気持ちで、鎮魂の祈りを届けてみるのはいかがでしょうか。

神社という場所をお借りして、先人へ想いを馳せるのは艦内神社についても同様です。そう遠くない過去に、生きて、私たちに時代のバトンを渡してくれた先人たちのことを考えるひと時を持ってみてください。

駆逐艦「卯月」データ

艦種駆逐艦・睦月型
艦内神社皇大神宮(伊勢神宮)
1924年(大正13年)東京 
石川島造船所で起工
1925年(大正14年)10月15日進水
1944年(昭和19年)12月12日 フィリピン レイテ島 オルモック湾沖にて沈没
最後の艦長渡邊芳郎 大尉/少佐

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