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【神社と経営】をテーマに経営を進める上で、神社が担う役割についてお伝えするシリーズの2回目です。前回は、神社を心のよりどころとして捉え、あなたと神社の関係性をどう深めていくかについてお伝えしました。
今回は、これからの時代に求められる視座の磨き方と企業における心理的安全性の確保について、神社との関わりを交えて考えていきましょう。
目次
先人たちも意識せずに行っていたアクティブラーニング
現代の私たちは、当たり前のように電気や機械、自動車、テレビやラジオ、インターネットなどの恩恵を受けて仕事をし、暮らしています。
このような生活は、江戸時代以前を生きた先人たちには考えられないもの。
農業はもちろん、商い、政治にまつわること、すべてにおいて人力で一生懸命に工夫を凝らしながら先人たちはやってきました。その工夫のために、自分たちよりも前を生きた方々の知恵を学びながら、実際に目の前で問題が起きると、それをどう生かして対応するかを考えたのです。さらに、その対応が本当に良かったのか、改善点はないか考え、話し合いました。このように何度も試すというのを繰り返しながら、実学として学んでいきました。今でいう、アクティブラーニングとして、先人の知恵を少しずつ本業に取り入れ、活用できるように落とし込んでいったのです。
これらの知恵は書物としてもあったでしょうが、町や村の要である神社に代々蓄積されてきました。先人たちは、神社で受け継がれてきた知恵を受け止め、それをさらに練り上げて後世に繋げるということを綿々と続けてきたわけです。その過程で、それぞれの感性や可能性も磨かれてきました。
もちろん、現代の経営者の皆さまもビジネス書や歴史書などの書物から学び、実学としてそれらを取り入れ、経営に生かすべく試行錯誤されていることと思います。さまざまな知見を元に、自分自身はもとより、経営陣やスタッフと共に、日々、成長のために研鑽されていることでしょう。
ところが、そこにせっかくの江戸時代までに生きた先人たちへの想いや知恵が欠けているように、私は感じているのです。
遠い過去に生きた方々への想いが同じ時代を生きる人への想いに繋がる
先人たちの知恵を学ぶ、過去に想いを馳せることは、単に知識や教養を増やすことだけにとどまるものではありません。それらを経営や仕事に生かしてこそです。
例えば、マーケティングについて考えてみましょう。
対象とするお客さまが何を求めているのか、それらの要素を数値化して共有するのはもちろん手段としては有効です。
ただ、そのお客さまの顔が具体的に想像できているでしょうか。
神社にお参りに行ったときに、時代をさかのぼってその神社に参拝したであろう人々の顔や様子を想像してみてください。江戸時代や奈良時代の名前も知らない、でも間違いなく同じ場所で私たちのようにお祈りをしている人の顔が想像できたとしたら。
今、同じ令和の時代に生きるお客さまの顔を想像するのはたやすいものです。
神社では、このような思考のトレーニングを行うこともできます。
ただやはり、すぐにできるようになるものではありません。難しいトレーニングではありますが、何度も練習すればできるようになるはずです。
視座を磨いて、心理的安全性の担保された場をつくり出す
今、存在しない方々に想いを向ける、その方々の心情を察するという新たな視座を磨くということ。
それができれば、目の前にいる社内で一緒に働く方々が、何を感じ、どのような状態にあるかを察することをこれまで以上にできるようになるはずです。
そもそも、察するということは、相手に興味がなければしようとはしないもの。経営者として、あるいはプロジェクトリーダーといった立場から、社内の部下や同僚の様子を察しよう、相手を知ろうとすればするほど、それは相手にも伝わります。
自分に自然な形で興味を持たれて嫌な気持ちになる人はいないはずです。お互いに相手を想う気持ちがあれば、結果として人間関係がより潤滑になり信頼性も上がっていきます。信頼できる関係性の中では、話も通じやすくなるはずです。どんな発言をしても相手は受け止めてくれる、大丈夫だとなると社内が心理的安全性の担保された場所になっていくでしょう。
心理的安全性が確保された社内には真っ当な議論が起こります。
議論はあくまでも相手をやり込めたり、マウントを取り合ったりすることではなく、同じ目的に向かって互いに研鑽するためのもの。自分の意見を相手に伝えても大丈夫なのだという安心感があれば、どんどん発言をすることができ、健全な話し合いができるはずです。
そのような場が成り立っている会社であれば、社員は会社のために貢献し自分の成長の場にもしていこうと動けます。それは、結果的に会社自体の業績アップにも反映され、これからの時代、確保が難しくなるであろう良質な「人財」として大きく育っていくのです。
このように、神社には祈る場所であるとともに、先人の知恵を生かしながら視座や洞察力を磨く場としての役割があるのです。経営を健全に続けて行くためにもぜひとも活用してまいりましょう。
こちらのブログでは、社内の皆さまに伝える「言葉」の大切さについてお伝えしています。
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