ブログ
毎回、アテアの「神旅®」は、訪れる「土地を知る」というところから始まります。
歴史やその土地に眠る先人たちの知恵を学びながら、アクティブラーニングを進めていきますが、その中でも「土地を知る」……地理を学ぶというのも重要な要素です。
では、なぜ地理を知る、地政学を学ぶということが神社参拝の要のひとつとなるのでしょう。
今回は、神社と地政学の結びつきについてお伝えいたします。
目次
未来を読み解くために歴史から学ぶ
今、あなたのまわりに広がっている風景は古代から変わりないものでしょうか。
おそらく「そんなことはない!」と、お答えになるかと思います。山の形や川の流れ、植物の状態など長い時間をかけて変化して、令和のこの時代の風景を形づくっていますよね。
このように問いを立てると、改めて考えるきっかけになるかと思います。しかし、普段の日常生活の中で、「ここは江戸時代にはこんな風景だったのでは?」などと意識することはあまりないのではないでしょうか。
それはある意味当然のことです。日々の仕事や生活の中で、意思決定をしていかなければならないことは数知れず。そんな中、考えるとなればどうしても未来のことに比重がいってしまうからです。
経営者やリーダーというお立場ならば、なおのことです。ただ、やはり未来ばかりを見つめていると見逃してしまうことも出てくるものです。
そこで、過去、つまり歴史からの情報もしっかりとおさえておけば、目まぐるしく切り替わっていく時流に翻弄されなくなります。
歴史とは切り離せない地理から浮かび上がるもの
そのため、アテアでは歴史を学ぶことをおすすめしていますし、自ら歴史を学ぶ経営者の皆さんは多くいらっしゃるでしょう。歴史上、どのように国が栄え、傾いたのか。何が原因で敵から攻め込まれたか。あるいは、どんな経緯で民が一揆に至ったかなど、起きたことのパターンを歴史上の出来事から知ることは未来を決めるためのカギになるからです。
と同時に、地理も考え合わせると面白いことが見えてきます。
地理にも、歴史のようにパターンのようなものがあります。戦が起こりやすい土地や人がいつのまにか集まって市が立ちやすい場所などの流通の起点となる土地。何百年と時代が移り変わっても同じ土地で同じパターンの出来事が起こっているのが地理をベースに歴史を見るとわかってくるのです。
それは人間が生きる上で地上、土地というのは切り離せない存在だから。そのかけがえのない土地の位置や地形、それこそ重力のかかり方まで。それらに影響されながら人間は暮らしを営んできました。
だからこそ歴史とセットで地理を学ぶことが大切であり、そこから発生するのが地政学なのです。
その土地独自の風土に合わせた神様が祀られていたはずが
古来、先人たちは道や村の境界線などその土地の要になるところに、神様をお祀りしてきました。塞の神(さいのかみ)や道祖神、五差路や六差路など分岐する道には八衢の神(やちまたのかみ)をと、自分たちを守っていただこうと、その場所にふさわしい神様をお祀りしていました。村の外や分岐している道からは邪気や鬼が入ってくる、つまり悪いエネルギーが入ってきやすいと考えていたからです。
現在とは異なり、東京から大阪まで新幹線で約2時間半で行けてしまうところを、何日も歩いてようやくたどり着いていた昔。
スピード感が違うとはいえ、人が行き来し、さまざまなものが流通し出せば、動くのは物資だけではありません。必ず文化風習、思考や言葉が一緒に運ばれ、交じり合います。
中には、地域によって歓迎されないものもあったかもしれません。そこで、自分たちの境界線を守ってくれる、結界となって邪気が入るのを防いでくれるそれぞれの地域、つまり風土独自の神様が祀られたのです。
その土地、その土地で神様は異なり、呼ばれ方もさまざまでした。
ところが、時代は変わり、明治期に入ると、政府主導で神道の見直しがなされ、神様の統一感を出していきました。
と同時に、流通のスピードもそれ以前とは比べ物にならないくらいにどんどん早まっていきます。
それらのことにより、本来、風土ごとに別々であった結界を守る土地土地の神様が他のいろいろな地域の神様と混じり合ってしまったのです。結果として、現在では、もともと祀られていた神様とは異なる神様が、神社に印象付いてしまったということもあります。
そのため、土地の意味を掘り起こす地政学のためには、本来どのような神様が祀られていたのかを見ていくことが大切になってくるのです。
地図を見て地形を感じて先人たちの暮らしに想いを馳せる
では、本来祀られていた神様を知るためにはどうしたらよいでしょう。
地図を見るのはもちろんですが、その見方にもポイントがあります。
その地方全体の地形を細かに把握しながらたどっていきます。
どんな山があるのか。その山は人間が徒歩で越えられるのか、険しくてよほどでなければ難しいのか。
川も同様です。大きな川なのか小さいのか。川幅が小さいとしても、平坦なのか深い谷間にあるのか。人の力で渡れるような勢いなのか、それとも命がけでないと渡れないような激しい川なのか……
その土地をどう移動して、次の土地へ向かっていったのかを今の交通機関に当てはめるのではなく、人間の足で動くのを前提に考えてみるのです。そうすれば、当時の移動の過酷さは一目瞭然でしょう。そして、その土地にふさわしい神様の姿も見えてくるはずです。
日本は平坦な土地の少ない山国です。そんな風土の中で先人たちは「ここなら大丈夫」、「ここでなら生活を守れる」と土地を選び、要所要所に神様を祀り、邪気を追い出しながら暮らしを立ててきました。
人々が暮らし始めれば、政(まつりごと)が始まります。その当時の政とはイコール神様を祀ることですから、神社を見ていけば、おのずとその土地の地政学につながっていくわけです。
土地を見る目が養われれば、歴史の裏付けとしての地理がしっかりと身についていきます。
そして、神社を参拝する際の心持ちも変わっていくのです。
地理を知り人間の力では乗り越えられないものに気付くことで深い感謝を感じられる
人間は、地理というもの、要するに大自然と立ち向かい、力を借りながら、その地で生活をしてきたわけです。ところがやはり、物理的に、人間の力だけでは乗り越えられないことがあったことでしょう。
そんな苦労や辛さを意識すれば、単に自分のことのみ考えて、神社に参拝や感謝をするのではなく、遠い先人の時代から、その神様がそこで守り続けてくれた中に、今、自分も存在するのだと深い感謝を向けることができるはずです。それにより視野も大きく広がりますし、心の奥底から感謝の気持ちを感じることから深くリラックスすることができます。この感謝によるリラックス効果は心理学の見地からも認められているものです。
リラックスできるということは、特に大きなプレッシャーを感じ続ける経営者やリーダー的な立場の皆さんにとっても、重責から一瞬解放され、ふっと息を抜き自然な状態に戻れる瞬間となるでしょう。
地理を知った上での歴史と組み合わせて、地政学的に神社に参拝し、深い感謝をする。
これにより、視野を大きく広げ、神社参拝の意義を大きく飛躍させます。
経営者をはじめとする皆さまにぜひおすすめしたいと考えています。
地理を知るために地図を詳細に見ることをお伝えしましたが、「神旅®」ではその土地を実際に訪れ、体感しながら歴史と連動させてまいります。普段とは異なる神社参拝を体験したい方はぜひご一緒に参りましょう。
また、経営者の皆さま向けには「神旅®経営者版」をご用意しております。神社に眠る先人たちの知恵を企業の発展に生かしたい経営者の皆さまはぜひお問い合わせください。
こちらの記事では、「神旅®」の新しいロゴマークのご紹介とともに、「神旅®」にこめた想いをお伝えしています。
「神旅®」の新ロゴマーク完成~未知の光を見つける旅路~
メールマガジン『とこわかジャーナル』
アテアでは、メールマガジン「とこわかジャーナル」を毎週月曜日・月4回発行しています。
セミナーやイベントなどの最新情報をはじめ、緩急力ある経営のためのひと言や日々の気づきなどを発信しております。
こちらもおすすめ
人生はフルマラソン。経営はその一区間です。長距離だからこそ、適切な緩急が大切ですね。X(Twitter)でも歴史、神社、史跡を題材に経営力を高めるためのヒントをつぶやいています。
その他のブログ
【光輝ブログ】連合艦隊を長く率い日本国民の心の支えだった 戦艦「長門」
旧日本軍の軍艦に祀られている艦内神社について、主に和風月名を名付けられた艦を中心にこれまでお伝えしてきました。 今月は、和風月名からは離れて、戦艦「長門」と艦内……
2024年11月17日
【2025年版】大杉日香理流・手帳術~俯瞰と戦略的ゆとり、そして、記録の積み重ね~
11月も半ばに差し掛かり、そろそろ2025年の手帳の準備を始めようという方、もうすでに新しい手帳を購入したという方もいらっしゃるでしょう。 2025年から202……
2024年11月10日
【体験者の声】経験を自分なりに受け止め未来のためにどう活用していくのか
こちらのブログでは久しぶりにアテアのサービスを活用いただいている皆さまのお声をご紹介いたします。 アテアでは、いずれのサービスもただ受講さえすれば物事が好転する……
2024年11月03日
【見えない世界の基本①】人も土地も物も。誰もが持つ情報空間とは
アテアでは、「神旅®」を始めとするセミナーやビジネスコンサルティングなど各種サービスを通して、皆さまが望む未来へと向かうためのお手伝いをさせていただいています。……
2023年11月27日