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土の時代から風の時代へと移行して数年、風の時代の影響がどんどん色濃くなってきました。
それと同時に、コロナ禍を経て、企業の役割や在り方も、目に見えて変化しつつあります。
今、そしてこれからの企業に求められるものとはどのようなものでしょうか。ブランディングやストーリーといった視点から考えていきましょう。
機能だけでは勝負できない時代に?
戦後から高度成長期を経て最近まで、企業に求められてきたのは多くのものを生産、販売し、大きく成長・発展することでした。
今よりずっと物が不足していた時代には、テレビや冷蔵庫、自動車などのモノを所有することが個人としても価値があるとされてきました。ある程度、モノが行き渡ると、より仕事や生活に便利なアイテムとして、インターネットや携帯電話、さらにはスマートフォンなどが普及。他のものにもどんどん新たな機能が拡張していきます。そうして、さまざまな機能が進化していきましたが、今ではそれもすっかり飽和状態になってきています。
これまで、日本企業は商品に付加価値を加えることで競争に勝ち抜こうとしてきました。しかし、その限界が見えていることを、ビジネスの第一線を走る人々の間で、すでに気付き始めていたのです。そこで、2010年代ごろから注目されてきたのが、体験や経験に価値を置く、コト消費です。その流れで企業のストーリーをアピールするということも重要視され始めたのでした。
【関連記事】本格的な「風の時代」へ 経営に取り入れるべき思考とは
企業や製品のストーリーは大切だけれども
製品自体の機能の優劣でなければ、お客さまは何を基準に製品やサービスを選択するのでしょう。
お客さまの人生における信条や生きざまにその製品や企業がどれだけマッチしているか。お客さまは、その製品やサービスを取り入れることが、自分の人生において意味があるかどうかを判断していくのです。それは決して目に見えるデータや数値で現れるものではありません。しかし、お客さまそれぞれの感覚で選び取ったものが売れていくというわけです。
といったことが、わかってきているのに、そのようなビジネスモデルにすんなりシフトしていかないのはなぜでしょうか。
それは、「製品を選ぶ意味」といった考え方は目に見えないからだと思います。
例えば、企画会議でプレゼンをするとしましょう。
機能というのは定量化、数値化しやすいので、効果や価値が相手に伝わりやすいものです。具体的には、「20代女子は今、このようなものを欲しがる傾向がある」といったマーケティングデータを提示し、売り上げ予測を数値で説明。このようなプレゼンであれば誰にでもわかりやすく、会議でもOKが出やすいでしょう。
ところが、人生に意味を求めた製品というものは、一人ひとりの人生という物語にそのまま関わるため定量化は難しいもの。定量化できない、数値では表せないものは、落としどころも定めにくく、なかなか会議では企画が通らないということが起こりがちです。
それでもやはり、わずかながらであっても時代は確実に動いています。それは、土の時代という物質やお金など目で見てわかりやすいものを重んじる風潮から、風の時代のコミュニケーションや雰囲気など目に見えないものへと価値観が変化していっているためです。
目には見えなくとも、大切な企業としての想いをストーリーとしてどう伝えていくかは喫緊の課題といえます。けれども、これには決まったマニュアルや型などはありません。
まずは、「何のためにその製品を世の中に出すのか」、「何のためにそのサービスがあるのか」。あるいは、「何のために企業として活動しているのか」。
この「何のために」というところを突き詰めること。そこが企業としての「想い」の肝心なところとなるのです。
それらの「想い」がまとまったところで、それをどういう順序で、どのような言葉にして伝えていくかが大切なのです。「想い」が過不足なく定まったストーリーを編み出すことはそのまま企業のブランディングにも繋がっていきます。
ブレないために神社で五感磨きを
これからの時代、企業の存続に、このようなブランディングは必須です。ブランディングというと大企業が行うものという考えになりがちですが、中小企業や個人事業主にこそ、必要なものなのです。資本力や動ける人の手の数では残念ながら大企業にはかなわないかもしれません。だからこそ、ゆるぎないブランディング、企業ストーリーが拠りどころとなるのです。
企業としての確固たるストーリーは、「この機能は我が社としては必要、これは不要」と取捨選択のための大切な物差しとなります。そのように選んで提供する製品やサービスからは企業としての自信と想いがにじみ出て、空気感としてお客さまに伝わるはずです。
これは風の時代の特徴でもあります。風は大気、エアーのこと。私たちがよく「空気を読む」や「空気感」というのはこの大気を感じ取ったもの。大気の中から情報をキャッチし判断するという傾向が強くなっていくのです。ここは大きなポイントです。
これまでもアテアでは、五感を磨く大切さをお伝えしてまいりましたが、この大気、空気から情報をキャッチするために特に触覚を磨いていただきたいと考えています。そして、遠い昔から今までのさまざまな時代や人々の知恵などの情報が重なる情報空間である神社は、触覚を始めとする五感を磨くのに最適な場所。目には見えない情報を触覚で感じ、どう読み取るか。そこから感性や直感も磨かれ、言語以外の振る舞いからお客さまに企業としての真摯な想いを伝えやすくなっていきます。
具体的な機能よりも、言語よりもまずは「想い」。そこさえブレなければ、お客さまには確実に伝わるはずです。そのためにも、しっかりと五感を磨き、企業としてのストーリーを構築していきましょう。
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