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私は自他ともに認める漫画好きです。子どもの頃から現在まで、読んだ漫画は数知れず。ジャンルを問わず、いろいろ読み込んでいます。
息抜きやエンターテイメントとして優秀なのはもちろん、ビジネスや日常生活のヒント、豊かな示唆にも富んでいるのが漫画の世界。
今回は、経験値を高めるものとして、おすすめの漫画とその読み方をご紹介します。
目次
将来の夢は漫画家だった
小さい頃から、本当に漫画が大好きでした。数もたくさん読みましたし、同じ漫画を何度も読み返しました。そして、実は、「将来、漫画家になりたい!」と夢見ていたのです。何枚も絵を描いたり、ストーリーを考えたりしてきました。しかし、ある日、ふと気付いてしまったのです。
「プロになるということは、自分の好きなものだけを描いていればいいわけではない……?」
画力やストーリー構成といった必要な能力が足りているかどうかといった以前の問題です。プロの漫画家は読者の求めるものを描き続けなければなりません。プロの方々の素晴らしいお仕事の数々。そこまでの熱意でできるものだろうかと考えた末、自分には無理と潔く諦めました。
その後は、漫画は読む専門。でも、ただ読み流すのではなく、1回目、2回目と何度も角度や視点を変えつつ読み込みます。読みながら、楽しんだり感動したりはもちろんですが、そこから、たくさんの気づきが得られるのです。
漫画「彼方から」 で優秀な疑似体験
漫画の素晴らしいところは、何といっても、現実にはとうていできないようなことも体験できてしまうということ。
漫画は、画面上に言葉だけでは表現しきれないものを展開してくれます。自在なコマ割り、セリフや擬音の文字の大小、タイポグラフィと手描き文字のバランスなどを駆使。二次元という平面の中に現実では起こり得ないようなことを臨場感を持って表現してくれます。それにより、読者の私達へと良質なインプットが成されるのです。
漫画とは、非常に優秀な疑似体験装置であるということです。
「漫画はしょせんファンタジー、おとぎ話だろう」で、済ませてしまってはもったいない! 興味があるもの、自分が好むものだけを取り入れていては、視野が狭まり時代に取り残されてしまいます。その意味では、視座を高めたいと考える経営者の方々には特に読んでいただきたいのです。
中でも、おすすめの漫画が、ひかわきょうこさんの「彼方から」です。
異世界でも繰り返される「自分には何ができるだろうか」という問い
「彼方から」 は、全7巻の少女漫画で、男女問わず読んでいただきたい作品です。
最近、流行りの「異世界転生もの」のはしりとでも言いましょうか。しかし、近頃の作品に多い、転生先で主人公がチート能力(※)を得て、有利に立ち回れるといったことはありません。
※現実ではあり得ないような高い能力のこと。転生先の言葉が最初からわかったり、周りが驚くような特殊能力を持ったりする。
ごく普通の高校生・典子は、ある日突然、別の世界に飛ばされてしまいます。ドラゴンが飛び交い、見たこともない怪物が襲いかかる世界。魔力のような想像を超えた力を持つ人間たちもいます。これまでとは全く異なる場所で言葉さえも通じない典子。不安と恐怖におびえながらも、今、ここで、できることを探してやっていこうとするのです。
言葉がわからないなら、一つずつ覚えていけばいい。力もなくて何もできないといっても、水汲みくらいはできるかしら。
周りの善意を素直に受け取り、でも、頼りすぎずに少しずつできることを増やしていきます。
自分事として触れていくと疑似体験としての経験値になる
この物語を「単なる漫画だから」で済ませてしまうのは、簡単です。
でも、もし、同じ状況に置かれた時に、典子のようなモチベーションで生きていけるでしょうか? 実際に、異世界に転生するなどということはあり得ません。しかし、自分の意に沿わない状況に突然陥り、自分が無力であると思い知らされることだってあるはずです。そんな時、典子のように最善を尽くせるでしょうか。
漫画の中では、自分の代わりに主人公が現実とは異なる世界で生き抜いていこうとするわけです。それを自分事として能動的に捉えていくことは、そのまま疑似体験となり、経験値を高めてくれるはずです。
人は往々にして、特殊能力があれば、何でも解決するのにと思いがちです。現在に当てはめるならば、肩書があったら、権威があったら、人脈があったら、楽に物事が収まるのにというところでしょうか。しかしながら、そういったものは、しがらみを生んだり動きが取れなくなったりということもあります。
ひかわきょうこさんが描くのは、平凡で素朴な女の子。
目立って何も持たないからこそ、自分という素材そのものを生かしていくのがどれだけ重要かを教えてくれるのがこの漫画なのです。
一つ、付け加えるならば、典子を庇護し、行動をともにするイザークという人物は、腕っぷしもすごく強い特殊能力者です。しかし、莫大な能力を持つがゆえに、葛藤や大きな悩みを抱えます。持てるものが多ければよいわけでもないということを、典子と対比して感じながら、ぜひ読み進めてみてください。
さまざまな媒体も経験の種に
漫画やアニメ、映画、本、それらがフィクションであったとしても、自分事として体験するという姿勢で触れてみましょう。一つひとつが日常生活では経験できない世界のはずです。自分の体は一つしかありませんし、現実や時間には限りがあります。さまざまな媒体に積極的に触れることで、経験値を高め、そこから内省の問いを立てていけるといいですね。
【関連記事】ビジネスや経営に役立つ 大杉日香理流 漫画のススメ
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