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1人の内省では不十分? 他者との内省で得られる多様な気づき

2023年04月02日

「考える」ことがカギとなる風の時代。今後、内省はそのために必要不可欠な行為となります。日々、1人で行う内省はもちろん大切ですが、私は状況によりグループで行う内省もおすすめしております。

自分自身の内側を深堀りするための内省。なぜ、他人が関わる形を取るのだろうと疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。実は、他者との内省には、豊かな気づきの可能性が秘められているのです。

視点の固定化を避けるために

1人で内省を重ねるためにはコツをつかむことや時にはやり方の見直しが必要となります。往々にして人というものは、

「自分のことは自分が一番わかっている」
「同じことをいわれて、もうそんなことは知っている」

といった考えにとらわれることがあります。

もちろん、十二分に自分のことを把握、理解している方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、

「がんばっているのに結果が出ない」
「どうしてもうまくいかないことがある」

という方は、わかってはいるけれども、思考のクセから抜け出せなかったり、行動に繋がっていなかったりといった場合が多々あるのです。

1人で内省をしていると、視点がいくつかのパターンに固まってしまうことがあります。質の良い内省のポイントは、どれだけ多くの視点から物事や心の動きを捉えて入念に検証するか。視点の固定化は豊かな内省の妨げとなってしまうのです。それを防ぐやり方の一つが他者とともに内省を行うという方法なのです。

他の人の考え方・態度から気づきを得る

例えば、以前このようなことがありました。

次へのステップを目指そうというお客さまのコンサルをさせていただいた時のこと。私はお話を伺う中で服装などの雰囲気を変えることを提案しました。けれども、その方には信念があり、やりたくないとのこと。少しでも変化させた方が有利にはたらくと感じ、おそらく10回以上はお伝えしていました。しかし、その方は頑として聞き入れることはありませんでした。

そんなある日、とあるグループコンサルに同席されました。すると、別の方へのアドバイスの様子を見て「これはもしや……」と気付かれたそうです。

コンサル中、私の提案に対して「それはもう知っています」。「それは既にやったことがあります」。などと、否定をし続ける方がいらしたのです。それを目の当たりにして、「もしかしたら、自分もこのように否定ばかりしていたのでは」と気付かれたとのこと。そうして、変化することを受け入れることにされたそうです。

このエピソードは極端ですが、グループで内省をすると気づきの連鎖が起きてきます。同じ悩みを抱えていたとしても、他の人は全く違うところでつまずいている。あるいは、その悩みに対する受け止め方がそもそも違うなど、自分以外のことは気付きやすいもの。そうすると、自分自身を省みて改善しようという動きが出るのです。気づきの連鎖から行動の連鎖へと繋がりやすくなるわけです。

他者の脳みそを借りてアイデアを生み出す

他者との内省によって得られるのは、このように反面教師的なことばかりではありません。

自分1人の経験には限界があります。「あらゆる着眼点から深掘りをし切った!」と思っても、やはりどこかに取りこぼしがあるものです。そんな別の視点を他の人が持っていることが多いのです。そうであれば、「別の着眼点」をまるごとお借りすれば良いわけです。

私はこれを「他者の脳みそを借りる」と表現しています。

本来、人間は社会的な生き物です。パズルのピースのように自分の欠けている部分をお互い手を取り合って埋めていき、良いものを作ろうとするのではないかと思います。「欠けている」のは悪いことではないのです。他者に力を貸してもらえるということでもありますから。

ただ、他者の脳みそを借りるにも、自分に何が足りないかが明確になっていなければうまく協働はできません。自分にないものを持つ人に出会うと、「こんな人を待っていた!」と、つい感情的に反応してしまいがち。しかし、いきなりそんな勢いで協力を願い出てもスムーズに関係を結ぶのは難しいでしょう。

そのためにもやはり、自分に対して冷静に向き合う、質の良い内省が欠かせません。自分は何が得意で、どんな力を借りたいのか。内省により事前にきちんと把握しておけば、相手に望むことを明確に伝えられます。その上であれば、友好な関係を築けるはずです。

質の良い言葉を導き出すための問いを

内省とはそもそも答えを導き出すものではありません。問いにより引き出されるのは、答えではなく自分の状況を表す言葉です。繰り返し言語化を試みることで、考え続ける道筋をいくつも作り上げていくのです。

私は幼稚園の頃から、自分の欲しいおもちゃがあるとき。さらには、友人との良好な関係性を築くため、考えては実行。そして、その結果、また考える……という内省を繰り返してきました。内省オタクと言ってもいいかもしれませんね。ですから、どんな問いを投げかけると、内側に眠る自分なりの良い言葉を引き出していけるかということに多少なりとも通じています。

ひかり塾や神旅®などでは、このように質の良い内省のための問いをお伝えしています。皆さまそれぞれの中に在る視点や考えを言語化し未来に繋げていくためのお手伝いをいたします。今一度、ご自身の内省の見直しのためにもぜひご相談ください。

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