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「自らを知る」ことは、大切と思いつつも、案外、難しいもの。しかし、他者を理解するのと同様に自分を真っ当に理解するのは、経営やビジネスの場をスムーズにする意味でも大きなポイントとなります。
今回は、自己理解の重要性やいかに進めていけばよいかについて、改めて考えてみましょう。
自分の本当の価値を知る
自己理解とひと口に言っても、さまざまな側面からの捉え方があるでしょう。ビジネスや経営に直結するところから考えると主に大きく二つの切り口があります。
まず一つは、自分の価値を知ること。
自分の価値というと、特別な能力やスキルなどわかりやすく成果を上げたり、直接、生産性に繋がったりするものを想像するかもしれません。しかし、これからの時代に功を奏する価値というのは目に見えてわかりやすいものばかりではないのです。
以前、セミナーの参加者で、ご自身の大らかな性格が仕事上ではマイナスなのではないかと捉えている方がいらっしゃいました。 接客中のピンチを、他の人では思いもよらない方法で回避し、お客さまを爆笑の渦に巻き込むといったことを繰り返してきたというその方。マニュアル上NGな行動をとっさにとってしまうのは、型どおりに考えるならば確かにマイナスなことかもしれません。
しかし、お客さまへの大きな迷惑を未然に防ぎ、場を和ませることで信頼関係深め親密さを増して、結果、リピーターを獲得するほどのことを一概にダメと言えるでしょうか。その方の性格やそれに基づく行動は、お話を聞けば聞くほど、マイナスどころか「才能では?」と感じました。

このような能力は数値化できるものではありませんし、これまでであれば才能や価値として認められるものではなかったでしょう。けれども今後は、価値とは意識されてこなかったひそやかな力こそが可能性を広げていくのです。
自己理解を進めれば進めるほど自分の価値を明確化し、増やしていくことができます。現在のビジネスは、価値の提供からさまざまな価値交換が起こり発展していくもの。明確化した価値を社内外の人たちに意識的に提供できれば、相手から受け取る情報や価値も細やかになり、より深い信頼関係を築けるはずです。そのような好循環がビジネス上では多様に形を変えて収益を増やし、個人としても自己信頼感が高まることでしょう。
求めることがはっきりすれば的確に伝えられる
もう一つ、深い自己理解からは自分の欲求をはっきりさせることができます。
「欲求なんて誰もが持っているもの」と、侮ってはいけません。
ポイントは「欲求を持つ」ことではなく、その欲求がどれだけ自分の中ではっきりと具体性を伴って確立しているかということ。
経営者として進めたい事業について、頭で浮かぶままに伝えたとしましょう。そして、社内では消化されずに上手く進展しなかったとします。そんな時、「自分はこんなに良いプランを考えて伝えているのにどうしてわかってくれないのだろう」、「だから、売り上げが伸びないんだ」、「だから、顧客が離れていくんだ」と負のスパイラルに陥ってしまうことがあります。
また、人事の面でも、自分の想いだけで采配し、適材を配しているにも関わらずうまく機能しないといったことが起こりうるかもしれません。
これらの例は裏を返せば、自分がなぜそれをやりたいのか、なぜ今やりたいのか、それは誰のためなのかなどが明確ではないから。求めているものや目的が自分の中ではっきりと具体化していないからなのです。自分の中でぼんやりしていることを社内に伝えようとしたところで伝えきれるわけがありません。

実は、少し前、私自身も時代旅®についてきっぱりと「こういうものです」と明確化しきれていない時期がありました。自分の中にあるものを言語化できていない時点では、やはり周囲の人にそれを伝えることはできないのだと経験したばかりです。
発信する側の主軸、企業で言うなら経営者自身が明確にできてないものを、受け取る側の社員が明確にできるわけはありません。そのような意味から、自己理解による欲求や目的の明確化は企業経営においても重要なことなのです。
自己理解を深めるための言語化
では、自己理解を深めるためにはどうしたらよいでしょう。
ご自身の歴史であるこれまでの人生、読んだ本、触れた話題、誰かと語り合ったことなどを含めた内面をじっくりと見つめ直します。その都度、していただきたいのが具体的な言語化です。丁寧に自分が何を感じ、その前後で何が変わったかをアウトプットしてみるのです。
学生時代の読書感想文のように書いてみてもよいかもしれません。あの感想文はあくまでも先生など誰かに認めてもらうために書くものでしたが、これは、他の誰でもない自分にわかりやすく見せるために書くイメージです。

そうして、一つひとつ丁寧にアウトプットしていくうち、ご自身の考え方や望みが形を持って浮かび上がってくるはずです。
自分でもこれまで気付いていなかった、あるいは、軽く思っていたけれども本来は大切だった価値に出会い直すのはとても楽しいもの。
ただ、何をきっかけとして、考えたらよいかに迷ったら、歴史や風土史を振り返りのためのツールと考えるのもよいでしょう。
時代旅®では、ご自身を見つめる方法を見つけるため、さまざまな形でお手伝いすることが可能です。
新たな価値や可能性をご自身の中から再発見し、ぜひこれからの経営に役立ててください。
こちらの記事では・・・ご自身との向き合い方についてお伝えしています。
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