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「ビジネスは戦いだ!」
という言葉をよく耳にします。日々、厳しい経営判断を強いられることも少なくないリーダーであればこそ、そんな心持ちになることもあるでしょう。しかし、過剰な緊張感は逆効果になることもあります。
今回は、穏やかな気持ちで冷静に、かつアグレッシブにビジネスと向き合える方法を探ってみましょう。
目次
戦国時代や幕末、孫子の兵法を事例として取り入れる。その前に
歴史好きの経営者からお話を伺うと、「戦国時代」や「幕末」といった、争いの絶えない激動の時代がよく話題に上がります。
『戦国武将の誰々ならこんな状況をこう立ち回るだろう』『幕末の志士はこういう戦い方でこんな局面を乗り切った』など、戦略や生い立ちを事例としてビジネスに当てはめて熱く語り合うことも多いものです。
ビジネスの参考書として孫子の兵法をあげる方もいらっしゃいますよね。
時代を生き抜いた先人として戦国武将や幕末の志士たちを尊敬したり、戦いの歴史を事例としてビジネスの参考にしたり、孫氏の兵法をバイブルとすることはとても素晴らしいことです。
ただ、それと同時に少し心に留めておいてほしいことがあります。
ビジネスは命の取り合いではない
そもそも、戦(いくさ)というのは殺すか殺されるかという命の取り合いです。
「ビジネスは戦いだ」という言葉はあくまでも比喩ですが、「戦い」という言葉から無意識に自己にも他者にも攻撃的な感情が生まれてしまうものなのです。
人間は本能的に「命が一番大事」という心理が働きます。ですから、「戦い=殺すか殺されるか」というスイッチが知らず知らずのうちに動き出してしまいます。「勝つか負けるか」という意識はそれほどに強烈なものです。
無意識にでも攻撃性を匂わしてしまうと、それを感じた相手は自分を守ろうとさらに攻撃的にならざるを得ません。自分が「戦い」という攻撃的な意識をもった途端、結果的に周囲から攻撃される立場に立たされてしまうというわけです。
例えばスポーツのように、結果・形式として必ず勝敗がつくというものであれば、攻撃や駆け引きも必要でしょう。しかし、ビジネスは特定の相手に対する「勝つか負けるか」ではないはずです。攻撃の矢面に自ら立つような考え方はなるべく避けた方がよいと思います。
「勝つか負けるか」ではなく「お互いに良い影響を与え合う」
ビジネスが「勝つか負けるか」の世界でなければ、考え方をどうシフトしていくのがよいのでしょう。
「みんなで一緒によくなりましょう」とまでは、さすがにいいませんが、自社が発信するサービスや商品などが、社会のどの部分に影響を与えるのだろうか、その渦中にある同業他社にはどのよう思われているだろうか。あるいは、他業種にはどういう影響を与えられるのだろうかなどということを考えながら、アクションを起こしてみてはどうでしょう。
攻撃ではなく、響かせるのです。そこから、新たな何かが生まれてくるかもしれません。
この考え方なら、他から攻撃されようもありませんから、それに対する防御といった力を余計に注ぐことも必要なくなります。このことだけでも、心休まる経営につながるというものです。
ただでさえ経営者は、資金繰りなども含めて、普段からさまざまな面での大きな責任を背負っています。完全に心休まる瞬間を得るのはなかなかむずかしいのも事実です。
いわゆる自己との戦いはゼロにはなりません。 ちょっとした考え方の切り替えをすることで、安堵できる時間を増やしていけるとよいですね。
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