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一度印象付いたイメージはなかなか拭えない 三谷幸喜氏に見るブランディングの重要性

2022年03月06日

NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 は、物語にドライブがかかり、ますます面白くなってきました。

今回は脚本家の三谷幸喜さんに注目して、ブランディングの重要性についてお伝えしたいと思います。

マウント取り合い女子トークにCG夢枕! 現代に通じる面白さで引きつける脚本の力

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の脚本を担当する三谷幸喜さんは、これまでも大河ドラマ「新選組!」「真田丸」をはじめとして多くのドラマ、映画、舞台を生みだし活躍しています。

「鎌倉殿の13人」でも、鎌倉時代を描くにあたって、源頼朝ではなくこれまでほとんど注目されることのなかった北条義時を主人公に据えるなど、新たな視点によるストーリー展開に目が離せません。

登場人物のキャラクター設定から振る舞いまで、かしこまった時代物というより、現代の人々に通じる描き方は、これまで歴史に興味がなかったり、少し興味を持ち始めたりといった人たちにも受け入れやすいでしょう。

お家のため、大義名分のためと一心不乱になるばかりではなく、時にボヤき、時にズルく立ち回り、家族を大事に思うという人々の姿は愛おしく、身近に感じられます。

頼朝が自分の夢枕に立った時刻の方が相手より早いと、マウントを取り合う小池栄子さん演じる政子と、ガッキーが演じる八重の姿は、現在の女子トークを彷彿とさせます。

そして、西田敏行さん演じる後白河法皇の登場の仕方は出色でした。

頼朝の夢枕にCGで現れる後白河法皇

その姿は現在のリモート全盛の状況を現わすようでもあり、コミカルな登場の仕方と頼朝のおびえっぷりは、何度もインターネットニュースに取り上げられるほど。

とはいえ、この当時、夢枕に誰かが立つというのは、よっぽどのことであるという思想があったのも事実です。

加えて、頼朝が挙兵後、勝利に近づけば近づくほど後白河法皇の姿がぼんやりとしたものから少しずつ実体に近づいていくという演出は、さすが三谷幸喜! と感じています。

コミカルな表現も奇抜な演出も許されるのはより良いブランディングの賜物

ただやはり、面白いとはいえ、CGで夢枕に立つ後白河法皇というのはかなり奇抜で、よくNHK側が承諾したものだと感じるところはあります。

なぜ、あのような演出が実現したのかというと、それこそが三谷幸喜さんご本人のブランディング成功の証ではないかと思います。

三谷幸喜さんだからこそ、遠い歴史の世界を臨場感をもって今につなげる描き方ができると、誰もが認めたから……

これまでの作品の質、それを面白いと受け止めてくれるファンを引きつけてきたこと。

そのように築いてきた実績、そして、三谷幸喜さんの描く世界の面白さというブランディングがベースとして説得力となり、今回の「鎌倉殿の13人」の世界の構築が認められたのではないでしょうか。

一度固定したイメージの払しょくは難しい ブランディングは慎重に

自身や会社のブランディングというのはビジネスシーンにおいてもとても重要です。

どう見られて、どのようなイメージを相手に残したいかを明確にした上で、慎重により良いブランディングを目指しましょう。

というのも、CGで現れる後白河法皇のブランドイメージは、存命の頃から900年近く経った現在でも一貫して変わりません。

歴史上のイメージとして、ひと言でいえば悪者。

もちろん研究が盛んになり後白河法皇に対する見方がガラッと変わるということはないとは言えませんが、一度ついてしまったイメージを変えるのがどれだけ困難なことかというお手本のようです。

ですから、円滑にビジネスを進めるためのブランディングは本当に大切です。三谷幸喜さんのように誰もが認める良いイメージを確立できたら、それは事業成功のための盤石な一歩といえます。

迅速さも大切ですが、後白河法皇の轍を踏まないようブランディングは慎重に進めていきましょう。

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