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2023年8月8日に発売となった文庫版『「龍使い」になれる本』。おかげさまでご好評をいただいております。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。
今回の文庫化は、私の中では、本当にあり得ないことでした。なので、このタイミングでの文庫化のオファーは、私にとっていったいどんな意味があるのだろうと内省をしておりました。
そんな中で気付いたことを今週から3回に渡って、ブログでお伝えいたします。
あらためて「龍使い」とは何かを考える
『「龍使い」になれる本』を上梓してから7年。今回の文庫化にあたり、「やはり、この『龍使い』というものが、私がさまざまな形でお伝えしていることの芯の一つなのだな」としみじみ感じました。
「龍使い」とは、本の中でも紹介していますが、「世のため人のため自分を生かす方々」のことです。そのためには、自力、その中でも特に五感を磨きましょう。あるいは、自分のそれまでの経験を洗い出し、「資産」にしていってほしいということ。
そして、その磨かれた自力に対して、龍神たちという見えない世界からの協働という後押しが生じ、伴走しながら望む未来をつくっていきましょう。というのが、本の趣旨となります。
もちろん自分の願いをかなえ、自信につなげていっていただきたいということ。同時にその力で世の中に貢献していく。世の中へ価値を提供していってほしい、というところまでがお伝えしたいことでした。
「力」といっても、特殊な能力や一般的に社会で認められるスキルばかりを指すわけではありません。一見、地味なものや「本当に、これが価値あるものなの?」といったものが、実は世の中で誰かの助けとなるのです。
そんな「価値ある力」の大きなカテゴリーの一つが「想像力」ではないかと、あらためて感じたのでした。
相手を大切にし、自分を守るための想像力
想像力とは、目に見えないものや世界を思い描く力です。というと、ファンタジーのような荒唐無稽なものを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。それも間違いではありませんが、私がお伝えしたいのは、もう少し現実的な想像力です。
自分以外の人の心の中は見えませんよね。これは、家族であっても、どんなに親しい人であってもです。誰かと相対する時、相手の気持ちを推し量り、その人が何を求めていて、何を嫌がるだろうと考えるには想像力が必要でしょう。望んでいることを想像し、先回りしてあげられたとしたら、相手には気分良くいてもらえるのではないでしょうか。「この人は自分のことをわかってくれている」と、一層、信頼してもらえるかもしれません。
言い換えれば、想像力は相手を思いやる力でもあるということです。
一方、想像力は、自分を守るものにもなり得ます。
何か新しいことにチャレンジしたとしましょう。 でも、人間ですから、怠けてしまいそうになることもありますね。また、思っている以上に、到達したい目標までのハードルが高く、くじけそうになることもあるかもしれません。そんな時に、「目に見えない何かが見守ってくれているのだから、何とかがんばろう」と、思うことはありませんか。現実に見えているものばかりではなく、見えない何かに守られている感覚。それを呼び起こすのも想像力です。想像力が自分をバックアップしてくれるというわけです。
五感に裏打ちされた想像力が培った日本人の自然観
見守ってくれる、あるいは後押しをしてくれる「目には見えないもの」を本の中では、「龍神・龍(流・りゅう)」と表現していますが、それが龍神でなくてもよいのです。
明治以前の日本では自然観が現在とは異なりました。人間自身も大自然の流れの中の一部であるという捉え方です。大自然に対する畏怖の念とその豊かさを受け取っているという意識が強く人々の間にありました。物理的ではない力が動かす世界の中に生きている感覚とでもいいましょうか。
そして、それぞれに自分たちを生かしてくれたり、守ってくれたりするものにしっかりと向き合い続けていたのです。ある村ではそれは山かもしれませんし、他の村では大きな御神木だったかもしれません。田んぼに豊富な水をくれる川に対してというところもあったでしょう。漁師さんだったら海でしょうか。
今のように情報がすかさず届くわけではない時代。作物を育てるためや漁に出るためには天候などの情報を自分で得て、判断するしかありません。それは命を守るために絶対的に必要なことです。
山や海と真剣に向き合い、五感を働かせ、山が、海が、何を伝えようとしているのかを必死に感知しようとしてきたのではないでしょうか。山や海が、実際に何かを言うわけではありません。でも、「こんなことを伝えようとしているかもしれない」と想像することこそが大切だったのです。
厳しい自然と向き合い、山や川、海、御神木などに見守られている、豊かさを受け取っているという意識。受け取ったものを、自分たちの生活に落とし込む想像力から物語が生まれ、代々語り継がれて、その物語を読み解くために、さらに想像力が養われていく……そうして、先人たちには抽象的な思考が育っていったはずです。
そのような思考が神様や龍神といったものに繋がっていくのです。見守られている中でがんばってみよう。さらに未来へ向かうための足掛かりとしていこうと、今の私たちも考えられたらと思います。
少し、壮大な話になってしまいましたが、想像力とは、目の前の相手を大切にするための術であり、自分自身を未来へと進ませるための安心感や原動力となるはずです。
さらに想像力は洞察力へと繋がっていきます。このお話は、ビジネスマーケティングと併せて考えながら、次回お伝えいたしますね。
こちらの記事では、『龍使いになれる本』の文庫化にあたっての私の心情をお話ししています。
【関連記事】 【発売決定】文庫版『「龍使い」になれる本』に寄せる想い
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