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拙著『「龍使い」になれる本』を文庫化していただけることになりました。
8月8日には、皆さまのお手元にお届けできるかと思います。自分の著作が文庫化されるとは、本当に思いもよらないことで、私自身が一番驚いているところです。
今回は、文庫版『「龍使い」になれる本』発売に当たり、私の想いをお伝えいたします。
7年の時を経て変わるものと変わらないもの
『「龍使い」になれる本』は、私にとっての初めての本で2016年2月に発売。おかげさまで10万8千部のロングセラーとなりました。
龍、すなわち、常に変わり続ける流れを見つめ、自分に最適な流れを見出してほしいとの想いを込めて執筆。7年の時が流れ、その間、誰にも予想のつかなかったコロナ禍を経て今に至ります。出版当時からは流れの捉え方も変わってきているでしょう。
もちろん、本質的な芯の部分に変わりはありません。しかし、時代の変化とともに変わるものを肌感覚で感じていただきたい……ということで、今回、前文を書き下ろしさせていただきました。
当初、「前文は2、3ページで」とのご指定でしたが、「5ページいけそうです!」との連絡。ついつい筆が乗り、5ページ以上の文章量をお渡ししてしまいました。大丈夫かなと思っておりましたが、プロの皆さまのスキルによりありがたいことに全文を収録いただけました。
ぜひ、こちらの前文にも注目して読んでいただけたら、うれしく思います。
まさか自分の本が大好きな文庫本の仲間入りをさせていただけるとは
今回の『「龍使い」になれる本』文庫化のお話は、まさに青天の霹靂でした。このお話をいただくまで、自分の著作が文庫本になるとは、夢にも思ったことがなかったのです。ですから、驚きとともに、うれしくてたまりませんでした。
と、いうのも、私には並々ならぬ文庫本愛があるから。
私は幼い頃から、大の読書好きで、物語でも図鑑でも漫画でも、本と呼ばれるあらゆるものが大好き。特に新書と文庫は本当に好きなのです。
文庫本のサイズ感は手にしっくりと収まり、軽量で持ち歩きに便利です。と、同時に体にとても近しい感覚があったのです。自分の知的欲求を満たし、直接、血肉になる感じと言いましょうか。
そして、ハードカバーの大きな児童書に比べて、シュッとしたフォルムはまさしく大人の本。図書館や本屋での文庫本や新書のびっしり詰まった書棚の圧倒的な雰囲気は先人の知恵の宝庫そのものです。中学生になり児童書からは卒業、文庫本、新書の書棚の前に立った時は、これをどうやって読み進めようかとワクワクしました。
これが私の文庫本に対するイメージです。文庫本を手にするということは、知恵の世界に踏み入れるのとイコールだったわけです。もちろん、その頃に自分がまさか本を書く立場になるとは思っていませんでした。さらに、実際に本を出版してからも自分の本が文庫化というのは、露ほどもイメージできていませんでした。文庫本の世界への憧れが強すぎて、橋が架かっていなかったのでしょうね。
今回のこの「思いもよらないことがかなった」というところに、「自分なりに進んでいく」ためのヒントがあるのです。
自由で豊かな選択が未来を開く
最近、よく、「未来の目標を明確に持つというのを意識しているのに、なかなか達成できない」という悩みのご相談をいただきます。「自分なりにいろいろ調べて、やるべきことを継続しているけれども形にならないのは、自分が悪いのでしょうか?」と。
ご自身で努力をされているのは、とても素晴らしいことです。でも、そんな時は、少し視点や考え方をずらしてみてもよいかもしれません。
世界は多様性に満ちています。これは、人間だけのことではなく、あらゆる生き物に繋がる意味で、です。身近な犬や猫も鳥たちやトンボ、土の中の微生物まで。何なら、私たちのお腹の中の腸内細菌たちともお互いに協働しながら生きているわけです。そのような多様性の中で、日々、複雑に変化し続ける世界に私たちは生きています。
そう考えると、環境要因とともに自分の心と体も刻々と変化していきます。昨日は好ましいと思ったことでも今日は心がつかえるということもありますよね。そのような体と心の微妙な機微を受け止められる感性を磨くことが必要になります。
と、同時に、未来に対するアプローチや目的を達成するための選択肢も世の中には数限りなく存在するのです。目標に向かって進むための努力の方向も一つだけではありません。
もし、頑張っているのに、うまくいかないと感じたら、「今」の状況をよく見て、感じて、どの選択肢が最適なのかを柔軟に考えてみてください。これが問いを立てた上での内省となります。
答えが出なくても、選んだ方法で失敗をしても構いません。失敗さえも望む未来にたどり着くまでの一つの大切な経験ですから。何のためにやるのかという目的さえ見失わずにいられれば良いのです。その先の時が満ちた頃、自分では想定しえない、うれしいチャンスが訪れるはずです。
初めて「本を出してみませんか」とお声がけいただいた時も、この度の文庫化のお話も、このような流れでいただいた機会だといえます。日々の選択の積み重ねが私と文庫の世界を結ぶ橋を架けてくれたわけです。
『「龍使い」になれる本』は、私がお伝えしたいことの本質をしっかり詰め込んだ本です。お手に取っていただけますと大変うれしく思います。そして、ぜひ感想をお聞かせください。
こちらでは、ご自身を深く知るためのヒントをお伝えしています。
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