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アテアが皆さまにさまざまなことをお伝えする際、大きな柱となるのが「神社風土史」です。
「神社風土史」とは何なのか。「神社風土史」を通してアテアではどのようなことを考え、感じていきたいのか。今回は、改めてお伝えしたいと思います。
のべ2万ヵ所以上の神社を訪れて得られた知見
私は幼い頃から日本史に興味を持ち、歴史というものが単なる知識や教養という枠にとどまらず、今を未来へと繋げていく視点を得るためのものと考えるようになりました。そして、長じてからは川中島古戦場跡を始めとする史跡や歴史的に興味をひかれた場所へと足を運ぶのが習慣となりました。中でも訪れた神社は、これまでにのべ2万ヵ所以上となります。
そうして、私自身が神社や史跡を訪れ、土地の力を借りて内省を重ねてきました。そこから得られた知見をわかりやすい形で皆さまに手渡し、ご自身の経営や人生に役立てていっていただくことを目的としているのがアテアのサービスです。
ただ、アテアで扱う歴史や先人の知恵をもう少しわかりやすく皆さまに伝えていきたいと考えた結果、「神社風土史」という形にたどり着きました。
アテアが考える「風土史」とは
ところで、歴史と聞いて思い浮かべるのはどのようなものですか?
戦国武将や学校で暗記した年表、お城を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。
そもそも私たちが基本的に学校で学んできたのは中央政治史です。ところが歴史を知るにはもっとさまざまな切り口があります。
私たちがまとっている衣服がどのような変遷をたどってきたのかというのは衣服史。どんな食物がどこから伝わり食べられてきたかといった食物史もあります。医学史や地理史……と本来はさまざまな分野の歴史が集まって大きな歴史という流れができているものです。
とは言え、学校では主として政治の中心地を起点とした事象を歴史として学んできたわけです。例えば平安時代は京都を中心に、鎌倉時代になれば関東を中心にといった具合です。
しかし、日本全体を考えると、政治の中心地だけに人間が住んでいたわけではありません。日本中のそれぞれの地域で人々の暮らしが営まれていたはずです。土地ごとにさまざまな分野の歴史も刻まれてきたことでしょう。
アテアが注目するのは、このようにそれぞれの土地で営まれてきた歴史です。
その土地の地形や表立った歴史、過去から現在まで暮らしてきた人々のエピソードなどをすべて内包して見つめる視点や空間の捉え方を「風土史」と考えます。
諏訪湖で感じた「風土史」の意味
皆さまに「風土史」、「神社風土史」を軸としてお伝えしたいと考えるようになったのは、諏訪湖を訪れた時でした。
諏訪湖の周辺地域は「縄文銀座」と呼ばれるほど縄文時代の遺跡が数多く発見されている地域です。 しかも、九州から関東へと横断する日本一巨大な断層、中央構造線がまともにぶつかる地域でもあります。現代にありながらその当時の見事な断層を見ることもできます。縄文時代よりもさらにさかのぼった、まだ人間の姿すらもない日本の創世期の様子を目の当たりにできるわけです。
鎌倉時代から戦国時代に目を向けてみましょう。この一帯は諏訪氏が治めていました。諏訪氏は武士でありながら諏訪大社の大祝(おおほうり)を代々務めるという独特な人々でした。大祝というのは諏訪明神の依り代であり、現人神(あらひとがみ)すなわち、生き神様です。諏訪氏は戦国大名としては武田信玄により滅ぼされてしまいますが、明治維新に神官の世襲制度が廃止されるまでは大祝を務めていたと言います。
そして、7年に一度行われる「御柱祭」は平安初期より1,200年以上続く重要な神事でありながら、いまだに起源や由緒は謎に包まれているのです。
このように諏訪という土地には日本列島の創世期の記憶から現在に至るまでの歴史上の謎が散りばめられているのです。
このような土地に実際に立ってみると、それぞれの時代の人々の感覚とともに気候、植生、地形や地理、文化や生活とさまざまなものが、私たちが歴史と認識するものに繋がっていくのだと感じられました。それらこそがお伝えしたい「風土史」、「神社風土史」であると確信したのです。
「神社風土史」をひもとき養う視点
ですから、アテアがお伝えする「風土史」というのは一般的に語られる歴史とは趣が異なるものです。
風土、生業、人、そこに醸成される時代の流れ、そしてそれぞれの町や土地の雰囲気。これらを総合して感じ取るものが「風土史」ということになります。
そして、特に各地の拠点や要であり、先人の知恵が集積される場でもある神社を起点とし、体系化したのが「神社風土史」です。
【関連記事】自力を生かすための神社との向き合い方
アテアでは「神社風土史」をひもとき、超長期的視点を得る方法やご自身の内省のきっかけ、情報や雰囲気という目に見えないものを見つめる視点などを養うお手伝いをしていきます。
経営や日常に迷いがある、もう一歩前へ進めていきたい……そんな時でも答えの「種」は必ずご自身の中にあります。その「種」に気付くための後押しを「神社風土史」を通じてしていければと考えております。
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