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宇佐市平和資料館で特攻隊員の疑似体験をして想いを馳せる
私は戦争を体験したことのない世代です。
しかし、その事実を「知らなかった」では済ませられないと思いますし、「興味がない」あるいは、逆に「興味本位」でも良くないのではと考えています。
私が艦内神社を探求するのは、慰霊のためなのはもちろんですが、先人たちの経験や考え方を疑似体験を通して理解し、この先の未来へと生かしていくためでもあります。
大分県宇佐市の平和資料館を訪れ、その想いをさらに強くしてきました。
初めて訪れた宇佐市平和資料館
先日、神旅®アウェイクで九州を訪れた際に、代理巡拝の一環として大分県宇佐市にある「宇佐市平和資料館」にまいりました。
宇佐市は太平洋戦争の末期の1939年(昭和14年)10月に宇佐海軍航空隊が開隊した地です。この宇佐海軍航空隊は、実戦訓練を行う航空隊であり、特別攻撃隊、いわゆる特攻隊の基地となり、多くの若者がここから南の空へと飛び立っていきました。
戦時中、米軍から空襲を受けた市内には戦争遺跡として防空壕や整備所、焼け残ったお寺の門なども残されています。
平和資料館は2013年6月に開館、2023年の開館10周年に伴い、さまざまな展示が見やすくなるようリニューアルされたそうです。
ここから戦地へ赴いた方々の遺品をはじめ、訓練に使用されていた弾丸や無線機、人間爆弾と呼ばれた「桜花」の実物大の模型や「桜花」に使用されていた防風ガラス、噴射管に加え、空襲時の写真なども展示されていました。
遺品には、ペンネントという水兵帽の上から巻く鉢巻や実際に装着されていた航空メガネ、辞世の歌を記した扇など、それぞれの方々が生きてここにいたのだという存在を示すような生々しいものが多く、戦争が決して、過去のものなどではないという実感を伴って迫ってきました。
実物大の零戦模型のコックピットの衝撃
なかでも、資料館に入って真っ先に目に飛び込んでくる零式艦上戦闘機二一型の実物大の模型には圧倒されました。実物に忠実に、非常に緻密に作られた模型であり、階段がついていてパイロットが乗り込むコックピットの中まで見学することができます。
内部をじっくり見せていただきながら、世が世であれば、自分もこのコックピットに乗り込んで、戦場に飛び込んでいかなければならなかったのかと思うと、何ともいえません。
そして、思い出したのは、私の祖父のことでした。
祖父は陸軍に入り、中国に行っていたそうです。明日のことも考えられないほどの極限状態であったこと。でも、意外に食べるものには困っていなかったこと。これは、食料供給については、本土よりも軍人の方が優先だったかららしいです。仲の良い人も何人かいて、朝には横にいたのに二度と帰ってこなかった人もいらっしゃったということなどを幼い頃、よく聞いていました。
最も驚いたのは、戦場で左胸を打たれたにも関わらず、助かったという話です。
打たれたところにちょうど木のお札のお守りが入っていて、銃弾を防いでくれたのだそうです。そんな奇跡のようなことが起こるのだと心底驚くとともに、そのお守りのおかげで自分は祖父に会うことができたのだと感じました。
零戦の模型を見ながら、祖父のことを思い、改めて命の大切さや平和を目指すことに対する理解を深めるべく内省をしたのでした。
疑似体験し考え続けることで先人の行動や心を理解しようとすることの大切さ
いつも神社参拝にまいりますと、真剣に祈りを捧げ、艦内神社では慰霊の想いを届けようとしています。ただそれだけではなく、やはり、神社に残された先人の方々の考えを理解することが本当に重要なのだと改めて感じた場所でもありました。
私たち世代は戦争のことを本当の意味で知りません。
現在の教育では、戦争の歴史が実感を持って伝えられるということもなかなかなく、自分も含め同年代に日本が経験してきた戦争について関心を持たない人が多いように感じます。だからといって、このままでいいわけではないと思っています。「知らなかった」では済まされないことだと思うのです。
疑似体験するしかないとしても、平和資料館のような場所に行ってみたり、戦争を経験された方のお話を聞いたり、読んだりしてみる。そして、自分なりに感じて、考えてみる。とにかく、何かしら考え続けていくことが重要なのではないでしょうか。
私も、今後はさらに艦内神社について考察を深め、神旅®などで艦内神社にご一緒させていただく際には、改めて慰霊の重要さとともに、先人が残してくれたことから、今に何が生かせるかというお話をさせていただけたらと考えています。
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