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経営者は孤独な仕事だと言われます。たしかに他言できないことが多く、自分との対話が増えるのは間違いありません。ですが、誰にも何にも頼ることなく進み続けるのはつらいもの。そこで、おすすめしたいのが「場の力」を借りるという方法です。
実は、名だたる戦国武将も有名な経営者も、「場の力」を借りることで深い内省を繰り返していました。
こうした先人の知恵は、不安定な現代を生きる経営者にとって、大いに役立つものです。
想像以上に大きい「場の力」
人間は思っている以上に、身を置く場所の影響を受けています。
オフィスの中でも特に仕事がはかどる場所があったり、同じカフェでも窓際の席を好んだり、駅までの道のりならこの道の方が好きという感覚があったり……。
些細なことですが、あらためて振り返ってみるとそういう場があることに気付くと思います。
つまり、普段何気なくとっている行動をひもとけば、想像以上に自分が「場の力」を察知し、影響を受けていることがわかるはずです。
場所によって私たちの視野は変化する
こうした「場の力」は、戦略的に活用することができます。
集中力が必要な仕事の時には自分が一番ゾーンに入れる場所を選んだり、深く考える必要がある時には自分とじっくり向き合える場所におもむいたりすることで、目的達成の後押しを得ることができるのです。
実は私たちの先人たちは、こうした手法を自然と取り入れていました。
例えば、名将と呼ばれるような戦国武将は、重要な戦略や領地経営案を考える時に、自分一人で熟考できる「場」におもむいていました。
深い内省ができる場所に身を置くことで、通常の思考とは異なる次元で物事を観ることができたのでしょう。
もちろん現代を生きる私たちは戦の策を練る必要はありませんが、経営者には自身の内省を深める視点はもちろん、時代の流れや人々の動きを読む多角的な視点が求められるはずです。
異なる次元から物事を観る術として、「場の力」という先人の知恵はぜひ取り入れていただきたいと思います。
歴史ある神社があなたの視野を広げてくれる
「場の力」の活用は今すぐ取り入れられます。
例えば、考えが行き詰って視野が狭くなっていると感じた時には、視界が開けた場所に行くのがおすすめです。高層階から景色を望み、視野の広がりを体感として落とし込むことで、心の視野も広げることができます。
心と体は連動していますから、場所を変えて肉体に働きかければ、心にも影響が出てくるのです。
「場の力」をより深く活用したいなら、人生の大先輩である「歴史」と向き合える場所に行きましょう。
先人たちが積み重ねてきた圧倒的な歴史は、凝り固まった思考の外側に私たちを連れ出してくれます。
例えば、神社の境内に立つ樹齢何千年というご神木の前に立ってみてください。
想像もできないほどの時間を越えてきた歴史を前にすると、自分の小ささを感じるでしょう。小さな点のような自分をイメージできたということは、それだけ視野が広がった証拠でもあります。
ちっぽけな自分に気付ければ、まわりにいる人と手を取り合えることの有り難さを感じ、また自分はまわりに何が返せるだろうと熟考することにも繋がります。
このように、神社とは私たちの内省を深め、そして新たな気づきを生み出すことができる場所なのです。
経営に必要な視座を高める
私自身「場の力」を借りて問いを繰り返し、内省を深める習慣があります。
記憶にある限り、幼稚園児の頃から内省につぐ内省を、公園や神社の境内で深めてきました。
例えばこれが賑やかな教室の中だったら、内省に没頭することはなかったはずですから、やはり「場の力」の影響を受けていたのでしょう。
そして今年は、新しいプロジェクトを進めるにあたって、自分の中にある核心にたどり着くために、「この場所なら」という土地に足を運びました。
すると想像以上の深掘りに発展してしまい、改めて場の影響力の強さを再認識しています。
時代旅®でお伝えしている「歴史をとおして経営に必要な視座を高めていく」というプロセスを、改めて実感することができました。この気づきは、今後のサービスに還元していきたいと思います。
経営者にとって、日々の決断は一つひとつが未来への道筋になるからこそ、「場の力」は借りておいて損はありません。
先人たちの知恵を味方につけて、より良い選択につなげていきましょう。
こちらの記事ではこれからの経営に必要な「多角的経営視点」について解説しています。
【関連記事】これからの経営に必要な「多角的経営視点」
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