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「事業承継」を考える。歴史と照らし合わせれば本質が見えてくる!

2021年11月04日

三英傑の“終わり方”はそれぞれ違う

人生には始まりがあれば、当然ながら終わりがあります。
人生100年時代といわれる現代でも、いつかは自身の“終わり方”を考えなければいけないタイミングは遅かれ早かれやってくるのです。

特に経営者であれば、まずは仕事上での終わり方、いわゆる「事業承継」は頭を悩ませる事案の一つです。
ですがそんな時は歴史を振り返ると、意外なヒントが見つかることは少なくありません。

例えば、身の引き方一つをとっても、戦国武将から学ぶところはたくさんあります。
その一つが、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の「三英傑」の事例です。

信長はのちの世に影響するほどのたくさんの改革を成し遂げ、グランドデザインを持っていましたが、強引なやり方が災いしたのか、家臣に謀反を起こされ、亡くなってしまいます。

続いて秀吉ですが、天下人となって長生きはしたものの、最後は認知症になっていたといわれるのほど迷走して亡くなりました。

そして家康は、表舞台に上がるまでは地味でしたが、三英傑の中でも特に健康に気を使っていたのは有名な話で、長寿がゆえに天下を取れたというエピソードは広く知られています。

家康は幼い頃から人質としての生活が長く、不遇な幼少時代を過ごすも、そこで身につけたのは「生き延びるための術」でした。
それがのちの権力奪取や子孫繁栄につながるのですから、面白いものです。

吉良上野介はよいお殿様だった?

三英傑の“終わり方”を見比べてみると、信長はさておき、同じく長生きした秀吉と家康の老後はかなり違うことがわかります。

秀吉は自らの権力を傘にきて、朝鮮出兵を繰り返すなど最後の最後まで日本を混乱に巻き込みました。
強大な力を手にしたにもかかわらず、結果として自身が亡くなった後に西と東に分かれての大戦になってしまっています。

それに比べると、家康はのちの世のことを考え、徳川幕府を盤石にするために奔走したあと、潔く江戸から駿府へと身を退いています。

これを見るだけでも、やはり“終わり方”について考えさせられるところがあるのではないでしょうか。

もちろん、歴史は勝者が作るものであり、すべてが事実とは限りません。
しかし、少なくとも自分の功績を正当に評価して、のちの世に伝えてくれる人たちがいれば、歪曲されずに残ることもあります。

その例として、忠臣蔵で有名な吉良上野介は、ドラマとしては悪役ですが、実際に吉良上野介が治めていた地域の方々からは、治水事業などで土地を豊かにした名君として語り継がれています。こうした事例は多く、世間でいわれている評価と、実際の功績が違っているというケースは少なくありません。
吉良上野介の例を見ても、ビジネスでも良い経営をしていれば、周囲の人たちによってきちんと語り継がれていくものなのです。

チャレンジする姿が若手のよい刺激に

経営者が後継者を育てることと、家庭での子育ては似ている部分があります。
わが子が赤ちゃんの時はそれこそ全身全霊で守ってあげるのは当然ですが、もう高校生くらいになったら、なんでも手出しをしたらその子の経験になりません。

また、時代の先端に立つのはやはり若者であり、30代40代の感性と60代の感性では、いくら元気であっても大きく違います。

それなら、やはりこれからの時代を築いていく若手に任せてみるほうがよいでしょう。
もし人材に不安があり、後継者一人に会社を任せるのが難しいようであれば、チームとして任せるという判断もできるはずです。

健康寿命が伸びている現代において、いつまでも現役でいたいという気持ちはわかります。むしろ、現役でいてもまったく問題はありません。
もしいつまでも前線に立って活躍したい気持ちがあるなら、同じ場所ではなく、また新しい事業を立ち上げるのも一手ではないでしょうか。

もう50代に入った頃から自分の次のステージを考えて、目標を決めてしまえば、今の会社も任せるしかないわけです。
企業のトップがまたゼロから次のステージに向けてチャレンジする姿を見せることも、次世代の人材によい刺激を与えるはずです。

「当たり前じゃない」前向きな姿勢を見せる

経営者であれば、いつまでも現役でいようと思えばいられる時代です。
しかし、いつまでも前線で活躍しようと思えば思うほど、現在のポジションから離れられなくなる、という弊害が生まれるのも事実です。

「執着」は失う恐怖しか生まず、精神的なストレスにしかなりません。
本当に肉体的、精神的に若々しくいようと思うなら、新しいものを受け入れる柔軟性や、また新たなステージに向かうチャレンジ精神を発揮することも大切でしょう。

つまり、生きがい、やりがいを見つけるなら、「執着」ではなく「チャレンジ」こそがキーワードになります。
どんなに健康で長生きしようと考えても、生物学的にも20歳を超えれば肉体は老化していくわけです。
若い世代と同じことをしよう、張り合おうと思うこと自体、戦さに負ける要因になります。

ですが、経験から得られる懐の深さや胆力という点では、若い世代には真似できないステージといえます。
後進の社員たちは、そうした人柄にこそ「あの人のようになりたい」と憧れ、真似をしようと参考にするものなのです。

歴史を過去問として使い尽くす!

はたして皆さんは、経営のトップとして、後継者選びに“私欲”を挟まず進められるでしょうか。
秀吉のように権力を手放せず、いつまでも影響力を残そうとすれば、後進は育たないだけでなく、「早くいなくなってくれればいいのに…」と、疎まれることになりかねません。

誰もが人として年齢を重ねていくわけです。
よい人材がいる、いないにかかわらず、まずは自分の全権を譲渡するという覚悟から始めなければ、余計な混乱を招くことは歴史を見れば明白です。

「人材が育たなくて…」といった悩みを持つ方も多いようですが、残念ながら、そもそも今現在のあなたとまったく同じことができる人はいません。

例えばこれまでの経営スタイルがAだとしたら、次の人はA‘くらいにおさまればよい、もしくはガラリと変わっても骨子さえ同じならBでもよいと、違いが出ることを想定しておくことも必要です。

そうした視点であらためて後継者選びをしてみると、今の会社を新たな道筋で成長させる人材が見つかるかもしれません。

先人はビジネスや経営において、たくさんの事例を残してくれています。
そういう意味では、歴史はよい過去問といえます。

ただ正解を解くということではなく、「秀吉はこんな失敗をしたが、あの時に違う選択をしたらどうなったのだろう?」と、“もしも”をシュミレーションしていく習慣を身につけることをオススメします。
そうした視点が今抱えている問題を、次のステージにステップアップするための“チャンス”に変えるのです。

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