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大杉日香理ブログ

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ヒットの鍵は作り手の「熱量」にあり! 人の心を動かす“奥行き”の作り方とは

「顧客視点」を捉えるための手法とは

企業がサービスや商品を企画する時に、特に重視されるのがマーケティングです。中でもお客様のニーズを捉えるために欠かせないものが「顧客視点」とされています。

ニーズとは、私たちが生活するうえで感じている「何か足りない」「こんなものがあればいいのに」といった不満や欠乏感の表れであり、いわゆる欲求を指しています。
これをリサーチし、分析することはヒット商品を生み出すには大切な作業です。

こうしたマーケティングを行う中で、ターゲットとなる顧客を年齢別に分けて、「M〇層」「F〇層」と呼ぶなど、専門用語も企業の間で広く使われています。

また、ターゲットとしている顧客をより明確にするために、「ペルソナ」を立てる企業も多いのではないでしょうか。これは年齢や性別、名前や趣味嗜好、家族構成にいたるまで具体的に人物像を描き出し、その人に向けてサービスや商品を作るといった手法です。

顧客像を描き出した1枚の紙

ペルソナの有用性を裏付けるようなヒット商品も数多く存在しています。
例えば、カルビーの「ジャガビー」がその一つです。この商品の開発がスタートした2005年当時、お菓子業界が苦戦していたのが、ちょうどスナック菓子から遠ざかる「20~30代の独身女性」に受け入れられる商品づくりでした。

そこでカルビーの開発チームは、顧客像のライフスタイルや価値観をリサーチするため、彼女たちから支持を得ている雑誌を分析し、また、独身の女性社員にミーティングに参加してもらうなどして、顧客像を1枚の紙にまとめたといわれています。

そこには「27歳の独身女性で、文京区に住んでおり、ヨガなどに通っている」と詳細がつづられていました。このペルソナに向けて商品開発を進めたことで、「何を作ればよいか」がより鮮明に浮かび上がり、チーム内が一丸となれた。これが大ヒットを呼んだ理由の一つと考えられます。

ペルソナを使ってヒットを生み出した成功例は数多く、それを参考に企画を考案するケースも少なくないようです。しかし、ここで忘れてはならないのが、マーケティングはあくまで方法論だということです。

形あるものには必ず“奥行き”がある

ヒットした商品はすべからく開発者たちの情熱によって生み出されたものです。
その熱量も半端ではなく、「必ず成功させよう!」「社会のために作るんだ!」という、心の底から突き上げられるような強い願いが込められています。

つまり、単にフォーマット通りにマーケティングをし、ペルソナをつくって、成功したわけではないということです。
経験豊かな経営者の方であればご存知のように、“必勝パターン”などは存在しません。やはり人の心を動かす商品やサービスとは作り手の熱が鍵となり、ヒットへとつながるのです。

形あるものには必ず“奥行き”があります。それこそが「無形」の想いです。
この目には見えない“奥行き”を商品やサービスに感じるからこそ、人はそれに興味を持ち、手を伸ばそうと考えるのです。

“奥行き”を無視し、情報だけを羅列して、ノウハウ通りに形を整えても、うまくいかないのは当然です。
ものごとは、必ず想いや熱量といった「無形」が先にくるもの。それを表現する方法として、ノウハウやマーケティングといったビジネス手法が存在します。
少なくともビジネスで成功している方は、体感的にこれを理解していることでしょう。

もちろん、アイデアやビジネスモデルを他者に説明する時は、わかりやすくロジックを使って根拠を示さなければなりません。
しかし、その発想が誕生した時にはまだ形がない状態であり、それを構造化していく中で、“奥行き”とロジックがミキシングされた結果、「有形」が誕生するというわけです。

起業しているすべての人に読んでほしい一冊

「無形」と「有形」の関係性さえわかれば、これまでロジックを先行して考えていた人は、それをひっくり返せばいいだけです。
まずはいま手掛けているものを誰に届けたいのか、それは誰かをよろこばすものなのかをじっくりと見つめ直してみる。

すると、その想いがますます鮮明になり、熱を帯びて、加速していく。そうしたら、初めてその表現方法としてどんな手法が有効なのか、落としどころがはっきりしてくるというわけです。
この手順の回転率をアップしていけば、ビジネスはよりスピーディに進んでいき、成果にもつながりやすくなることでしょう。

もう少し“奥行き”についてご説明します。
ここで参考になる、おすすめの本を一冊紹介しましょう。
私はこの本を起業しているすべての人に読んでほしいと思っています。
それが、『荒木飛呂彦の漫画術』(集英社新書)です。

荒木飛呂彦さんは、マンガ好きにはよく知られている、大御所の漫画家です。
代表作にジャンプで連載していた『ジョジョの奇妙な冒険』があり、ストーリーはもちろん、アートともいえる作画が国内だけでなく世界からも大人気となっています。

経営はストーリー、商品&サービスは登場人物

新書の内容はマンガの描き方やストーリーの構成について語られたものなのですが、注目してほしいのがキャラクターづくりです。

一般的にマンガ作品は、まず全体のストーリーを構成し、そこから必要なキャラクターが生まれていきます。
このキャラクターを生み出す時、作者の荒木飛呂彦さんは必ず履歴書を書くそうです。性格はもちろん、出身地や経歴など、ストーリーに登場するまでのキャラクターの人生を書き出しているのです。

これは、2次元のものを3次元へと昇華していく作業です。壮大なストーリーを進めてくれるさまざまなキャラクターたちに魂を吹き込み、作品をより立体化させていく行為です。

読者はこの「裏設定」ともいえるキャラクターの“奥行き”を行動やセリフから汲み取ることで、より作品の世界へと入り込むことができます。
行き当たりばったりで登場したわけではない、生きた登場人物たちがつむぐ物語に引き込まれていくという仕掛けです。

これを企業に置きかえてみてください。
経営がストーリーなら、登場人物は商品・サービスです。
ストーリーをハッピーエンドという目標へと近づけるために商品やサービスが生まれ、そこに魂を込める行為がペルソナなのです。
無形から有形が生まれ、強い想いがより魅力的な奥行きを作り出す。
これさえ理解しておけば、今よりもさらに顧客の心を掴むことができるはずです。

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