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大杉日香理ブログ

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神社の発祥は鎮魂だった 「怨霊」から学ぶ現代の企業姿勢

事実として信じられていた「怨霊」

今年も新型コロナによる影響で、お祭りの開催中止が各地で発表され始めています。
屋外とはいえ、人が密集することを避けるための対応なのでしょう。
しかし、実はこのお祭りという行事は、新型コロナなどの疫病と切っては切れない関係があります。

現代のように医療が発達する以前、疫病とどう付き合っていたのでしょうか。
医療が発達していない時代、疫病といえば今とは比較にならないほどの脅威でした。

また、疫病と似たような感覚として、自然災害があります。
今にしてみればウイルスや細菌が原因の疫病と、台風や水害、地震や噴火などの自然災害の違いははっきりしていますが、当時はそうではありません。
科学が発達してない世界の人たちからすれば、どちらも同じ“厄災”です。

そして、その原因として信じられていたのが「怨霊」でした。

今では「怨霊なんて迷信だ」と笑い飛ばす人も多いですが、それは現代人の感覚であって、当時の人からすれば怨霊対策は死活問題です。

つまり、完全なる事実として怨霊や祟りといった類は、人々の心のなかに実在していたのです。

当時の感覚をトレースする

祟りや怨霊を生むのは、個人的な恨みです。
その恨みの力量が高ければ高いほど、影響の度合いが大きくなり、疫病や災害になると考えられていたわけです。
これが当時の人々の当たり前の感覚でした。

ここで大事なのが、当時の生活を想像するということです。
ただの知識として知り、「あ、そうだったんだ」で終わるのと、当時の感覚をトレースしようと思いながら取り入れていくのでは、その後、知恵に転換するかどうかが変わります。

何かの情報に触れる時、ただ言葉通りの内容を受け取り、データとして活用するだけなら、AIに頼れば十分です。
しかし、そこから新たな発見を生み出せるのが人間というものです。

合っている、間違っているではなく、過去にあった考え方や事例などを積極的に取り入れようと思っていれば、今回のコロナ禍のようなパンデミックが起こった時でも、対応が大きく変わってきます。

歴史を紐解き、同じような状況下で当時の人はどう対処したのか、どういう感覚で生き抜いたのか。
自身の身に置きかえて考えるからこそ、しっかりと“使える”知恵になっていくのです。

怨霊を恐れて神格化された菅原道真

では、怨霊をどのように鎮めたのかというと、その方法の一つが「お祀り」です。
まず、怨霊になったと考えられる人を神格化し、神様として神社に祀ります。
そして、神様を慰めるための行事としてお祭りを催したのです。

実際に、怨霊の鎮魂のために建てられた神社は意外と多く、例えば、京都の北野天満宮がそうです。
菅原道真公が祀られていて、受験生や学業に取り組んでいる人に人気の神社としても知られています。

菅原道真公は、平安時代の中頃、時の政権で右大臣にまでのぼりつめた政治家です。
忠臣として名高く、宇多天皇に重用されたものの、当時は藤原氏が力を持っていた時代であり、出る杭となった道真公は藤原氏の策略によって陥れられ、左遷されたあげく、九州の太宰府で亡くなりました。

しかし、その後に起こったのが疫病の流行です。
これに対して藤原氏はもちろん、当時の民衆も道真公に起きた出来事を知っているので、「この疫病は道真公の恨みによるものかもしれない」と、噂が立ちました。

極め付けに、当時の皇居内に雷が落ちるという事件が起こります。
これは道真公が恨みをはらすために天神になり、加担した人たちに向けて落としたものとして、怨霊となったことを決定づける証拠になったのです。

これがきっかけで、「怨霊となった道真公をお祀りしなければならない」となり、天神様という肩書きを与え神格化したのが、北野天満宮の成り立ちです。

企業は世の中をよくすることを最優先に

雷の事件も今なら「単なる自然現象でしょ?」となるでしょう。
しかし、例え偶然だったとしても、エピソードとしての筋書きが通れば、神様として祀り、毎年お祭り行事を行って子孫に伝えていくべき強烈な出来事になりえるということです。

ですが、まず忘れてはならないのは、いつの時代も為政者にとって大切なことは、怨霊化させないということ。
これは、現代でいう政治家や経営トップにも同じことが言えます。

怨霊化させてしまうことは、トップとしての力量がないということであり、恨みを残す手法を取った、という裏付けにもなります。

もちろん、ビジネスは戦さなので、他社のシェアを奪ったり、人材を引き抜いたりといった戦略的な判断は不可欠です。
100%恨みをもたれないというのは、現実的に難しいでしょう。

ただし、企業として存続する以上、自社だけがよければいいというのではなく、世の中をよくするという命題を大切にすべきです。

また、企業活動としても今後はSDGzなど「サスティナブル」への取り組みが絶対的に必要になってきます。

つまり、人だけでなく、環境に対しての配慮も必要になってくる。
そう考えると、会社の在り方やサービスを改めて見直す良い機会とも言えます。

歴史という「過去問」を解いてみる

現代はSNS時代であり、情報もボーダレスなため、不正や謀略、非人道的な行為などは白日のもとにさらされやすくなっています。

ただ、暴露する側、される側を単に悪としてみなすのではなく、一度、そうせざるを得ない状況を想定しておくことが、本当の対策になるはずです。

例えば、自分が藤原氏だったら、と考えてみる。
強烈なライバルがいて、地位をおびやかされるような人物が現れた時、自分ならどうするか。
そして、もし選択肢の一つとして、その人を陥れて、相手の恨み、つらみを買ってしまった場合、どんな対応ができるだろう、とシミュレーションしてみる。

歴史とは、いわゆる「過去問」です。
時代背景は違えど、人の心理はそれほど変わっていません。

当時の人々の心理状態を考察し、今の自分の経営に置きかえてみると、本当に自分は相手を陥れないか、嫉妬から汚い手段に出ないか。
出ると思うなら、どうすればその選択をとらずに状況を打開できるか。

道真公の一件をただの怨霊話ではなく、自らを知る参考事例として色眼鏡を外してみると、大きな発見がありそうです。

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